David Ljunggren

[オタワ 9日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)は9日、年次金融安定報告書を公表し、マックレム総裁は現在の金融システムにとっての主なリスクとして金利上昇への対応と資産価格の大規模調整を挙げた。

マックレム氏は「カナダの金融システムは依然として強じんだ。過去1年で家計や企業、銀行を含む金融機関は金利上昇への順応や経済的ショックへの対処について早めの手立てを講じてきた」と強調した。

ただ「(金利上昇)対応はまだ中途段階にあり、金融安定のリスクとして存在し続ける」と付け加えた。

報告書は、金利上昇下での新規住宅ローンにおける返済比率の高まりや、クレジットカード債務の返済負担増大などを懸念要素としている。

また今後想定される金利の経路が大きく変わったり、経済見通しが悪化したりすれば、資産価格の調整幅が拡大する恐れも指摘。「限界まで上昇している資産のバリュエーションは、経済見通しに付随するリスクを適正に反映していないかもしれず、無秩序な価格調整の確率を高めている」と分析した。