Maki Shiraki

[東京 10日 ロイター] - ホンダが10日に発表した2025年3月期の連結業績予想(国際会計基準)は、営業利益が2年連続で過去最高を更新する見通しで、市場予想を上回った。研究開発費がかさむが、二輪・四輪の販売増や商品価値向上に見合う値上げなどが寄与する。純利益は減益で市場予想を下回った。競争が厳しい中国の持ち分法利益などが減少する。

売上収益は前年比0.6%減の20兆3000億円、営業利益は同2.8%増の1兆4200億円、純利益は同9.7%減の1兆円を見込む。IBESがまとめたアナリスト22人の営業利益予想は1兆0391億円、19人の純利益予想は1兆0800億円だった。前提為替レートは1ドル=140円(前期は145円)に設定した。研究開発費は過去最高の23%増の1兆1900億円を計画する。

三部敏宏社長は就任後初めて決算会見に出席したが、その理由について「難しい変革期の中でトップが今の経営状況、それを踏まえた短期・中期の取り組みを直接発信することが非常に重要」と説明。25年度に営業利益率7%(前期6.8%)を目指す目標を「1年前倒しで達成したいという意思表示をしたかった」と述べ、今後も少なくとも本決算会見には必ず出席する意向を示した。

また、自社のPBR(株価純資産倍率)1倍割れが続いていることについて「非常に大きな課題」と指摘。積極的な株主還元による資本適正化、収益基盤の確立とその継続、さらに「成長軌道を明確化、特にその中でも電動化の将来を示す」ことで早期にPBR1倍超えを目指すとした。同社は今期、過去最大の上限3000億円の自社株取得を発表。16日には電動化戦略を含む説明会を開く予定。

今期の世界四輪販売は412万台で、前期の410万9000台を上回る計画。日本や北米での増加を見込む。北米を中心に需要が堅調なハイブリッド車(HV)は、前期実績が約80万台、今期は約100万台を想定する。三部社長は、HVで仕入先も含めて増産に対応し「30年に200万台規模の態勢を備えたい」と語った。

検討中の日産自動車との協業に関しては「かなり頻度高く話し合いを進めている」とし、検討結果は「そう遠くない段階で話ができる」と語った。

併せて発表した24年3月期の連結決算は、営業利益が前の年に比べ77%増の1兆3819億円で、国際会計基準に変更した15年3月期以降で過去最高だった。純利益は同70%増の1兆1071億円と6年ぶりに過去最高を更新した。

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