[ブリュッセル 17日 ロイター] - イタリアのレッタ元首相は17日、欧州連合(EU)は米国や中国などのライバルと効果的に競い合うために必要な措置を講じる最後のチャンスを迎えているとの見解を示した。自身が策定したEU首脳向けの147ページの報告書に盛り込んだ。

レッタ氏は18日、EU首脳会議で報告書について説明する。

首脳会議の議長を務めるEUのミシェル大統領が同席した記者会見で、レッタ氏は現在の状況を「待ったなしのレベルだ。主に米国と比べているが、他の経済大国との比較でもそうだ」とした上で、「これは最後のチャンス、開いている最後の機会であり、このチャンスをつかむ必要がある」と訴えた。

レッタ氏の報告書の内容は多岐にわたるが、地政学的緊張と保護主義の台頭が欧州の経済安全保障を脅かすという考え方や、脱炭素化技術やデジタル技術を推進するには規模が重要との考察が中心となっている。

EUの単一市場はモノの取引についてはうまく機能しているが、無形資産についてはそれほど機能していないとの全体的な見方が出ている。報告書は、サービスの障壁を取り除くことの必要性を強調した。