[ピッツバーグ/ワシントン 17日 ロイター] - バイデン米大統領は17日、東部ペンシルベニア州ピッツバーグで演説し、日本製鉄が買収を計画している米鉄鋼大手USスチールが「完全に米国の企業であり続けるべきだ」と再表明した。

バイデン大統領は「鉄の街」ピッツバーグにある全米鉄鋼労働組合(USW)本部で鉄鋼労働者らに対し語った。ペンシルベニア州は米大統領選での激戦州と目される。

USスチールは先週開いた臨時株主総会を開き、日本製鉄による149億ドルの買収案を承認したばかり。

バイデン大統領は、中国の鉄鋼・アルミ製品に対する関税を大幅に引き上げるよう検討しているとも表明。中国は「競争ではなく不正行為をしており、その被害は米国内で確認されている」と批判し、中国との「対立ではなく公平な競争を望む」と述べた。

同時に、ピッツバーグに同行した記者団に対しては「貿易戦争は起こらない」とも強調した。

中国の習近平国家主席との関係に悪影響を及ぼすことを懸念しているかという質問に対しては、「ノー」と応じた。

在ワシントンの中国大使館の報道官は、米国が提案する関税措置について「絵に描いたような一国主義かつ保護主義」とし、米政府は「何度も同じ過ちを繰り返している」と非難した。