今年は昨年の大量発生を引きずりつつ、暖冬で越冬したカメムシも多いとみられていて、例年よりとても多いですね。

カメムシが嫌われる要素のひとつが「臭い」です。その臭いがついてしまったらどうしたらよいのか、害虫駆除などを専門とする岡山市北区の東洋産業の大野竜徳さんに話を聞きました。

(東洋産業 大野竜徳さん)
「カメムシの臭いが出てしまった…というのは、ものにつけちゃったか、手につけちゃったかになると思います。うっすら臭い気がする…というのもありますが、これは換気して臭いのもとを探すしかありません」

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ー簡単な方法は?

(東洋産業 大野竜徳さん)
「と言われると、私は洗濯ばさみをお勧めしますね、鼻をつまめばにおいがしないから(笑)。…というと大体怒られますので、少しマジメに」

「カメムシのにおいがするということは、そのにおいのもとがあって、それが蒸発して鼻に入ってくるわけですから、根本的な対策はそのにおいのもとをなくすことが一番です」

「まずはにおいを発しているその潰れたカメムシをとっとと除去しましょう。液体を引き延ばさないように、手早く、ポイッ」

ーでもにおいが残ったままですね…。

では、一刻も早く臭いを消すには?

(東洋産業 大野竜徳さん)
「カメムシの臭いは2段構えです。のクサクサ物質。

『手』で触ってしまった場合。
①まずはしっかりで流れるものを流します。

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でも、人間の体は油を多く含むので、これだけでは不十分で、手の中に水に溶けない油の臭いが染みついています。

②なので、お次はで洗浄です。

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「一回お手元の化粧油でもハンドクリームでも食用油でも消毒用アルコールでもいいので、ちょっとつけて簡単に手をもみもみしてください。少し浮かせて、手洗い用洗剤でしっかり流す!」

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…だいぶましになったのではないでしょうか?

③それでもまだ気になるなら、何度か油で浮かす作業を繰り返すか、アルコールスプレーでなんども浮かせて揮発させましょう」

ー『もの』についた場合はどうしたらよいでしょう。洗濯物にくっついてしまった嫌な臭い、靴で踏んで伸ばしてしまった嫌なにおい。さてどうしましょう。

(東洋産業 大野竜徳さん)
「ヒトの体でない場合は、少し荒っぽい手段が取れます」

一つは洗濯。

水と油のにおいならば洗剤(界面活性剤)で洗ってやればにおいはほぼなくなります。

+漂白剤(油汚れを分解)をかければなおgood。

そのあとは乾燥機か天日干し。

ニオイ物質は蒸発してこそ臭いので、しっかりをかけて飛ばしてやることでにおいはなくなります」

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(東洋産業 大野竜徳さん)
「どちらも難しければ、アルコールスプレーのように揮発しやすいものを何度もかけてドライヤー。

これでにおいはだいぶ消えます。

靴は洗剤に付け込めるならそれがいいですが、だめなら洗剤や重曹をかけてごしごし。傷む場合もあるので、気を付けてください」

(東洋産業 大野竜徳さん)
「おさらいです。

・カメムシの臭いは

水汚れは水で落とす、油汚れは油で落とす、が基本です。
2段階で洗浄しましょう。

・臭いは揮発する、それならとっとと揮発させる。
放っておいても、まぁ、一週間もすればにおいは飛びます。それでも、カメムシ臭い布団と一週間はお付き合いできませんね。なので、洗浄ができるなら洗浄。

早く揮発させるには、揮発する者同士でにおいを連れ去ってもらうのも吉。

天日干し、ドライヤー、アイロン、乾燥機…とにかく熱をかけましょう。

それができないならアルコールスプレーで一緒に揮発させましょう」

もしも食べ物やお風呂にカメムシが入ってしまったら?

(東洋産業 大野竜徳さん)
「あきらめてください。捨てるかお湯を抜くかです」

カメムシ一匹でその日の晩ご飯のカレーを泣く泣く捨てたことがありますし、大丈夫やろの精神でお風呂に入ってからだがほんのりカメムシフレーバーになったことがあります。

カメムシの種類によっては青りんごっぽい、といわれるものがいますが、あれは嘘です(人による)。

間違うことなきカメムシ臭。ただし、平気な人にとってはカメムシは悪臭ではないようですので、楽しめる方にはお勧めします」

【東洋産業 大野竜徳さんのプロフィール】
東洋産業株式会社 技術部 研究室 室長 
2000年3月   岡山県立岡山大安寺高等学校普通科卒業
2004年3月  岡山大学農学部総合農業科学科卒業 
2006年3月  岡山大学大学院自然科学研究科博士前期課程修了             

中四国、関西を中心に様々な現場、一般家庭への調査、駆除(ウイルスから大型生物まで)、異物検査、文化財保護などの分野で活躍中。