多久市西多久町の市重要文化財「森家住宅」をひな飾りで彩る「西多久の春 竹と灯(あかり)とおひな様」が30日から始まる。手作り人形を含む約200体が、「くど造り」の風情漂う空間を引き立てる。入場無料、4月3日まで。

 貴重な建築物を多くの人に知ってもらおうと、西多久町の女性サークル「ひなの会」が旧暦のひな祭りに合わせて毎年開いている。今年で18回目。

 座敷には、福岡県北九州市の人形師から寄贈された7段飾りをはじめ、着物の切れ端などで作ったひな人形や、つるし飾り「さげもん」などが所狭しと並ぶ。土間などは竹のオブジェ、天然木を使った照明で演出。同サークルのメンバー飯守清子さん(70)は「くど造りの古民家ならではの心地よさを楽しんで」と呼びかける。

 午前9時半から午後4時まで。期間中、隣の国重要文化財「川打家住宅」を休憩所として開放。30、31の両日は地元のイノシシ肉を使ったシシ汁が1杯百円で提供される。(市原康史)