吉村新兵衛顕彰碑に向かって手を合わせ、茶業の振興を願う参加者=嬉野市嬉野町不動山地区

 うれしの茶の礎を築いたとされる吉村新兵衛(1603〜1657年)をしのぶ「新兵衛まつり」が11日、嬉野市嬉野町不動山地区で開かれた。茶の生産者や販売業者、地区住民ら約80人が参加し、新兵衛の顕彰碑前で茶業のさらなる繁栄を願った。

 佐賀藩主・鍋島勝茂に仕えた新兵衛は、現在の白石町から不動山地区の皿屋谷に移り住み、茶園の開拓に励んだ。地域で茶の栽培を奨励し、茶どころ・嬉野の基礎を築いた。

 村上大祐市長が碑に今季の一番茶を献じ、関係者が次々に焼香。村上市長は昨年の全国茶品評会の蒸し製玉緑茶と釜炒いり茶の両部門で個人・産地の最高賞に輝き、11年ぶりに4冠を達成したことに触れ、「『日本一のお茶』を全国に発信していきたい」とうれしの茶の振興を誓った。

 新兵衛の子孫にあたり、近くで茶を生産する吉村忠信さん(66)は「新兵衛さんに感謝し多くの人が集まってくれた。今年も良いお茶が収穫できることを願って焼香した」と話していた。(市原康史)