トークイベントのビジュアル

 世の中、円安と騒がれている。インバウンド需要がある観光業にとっては追い風といわれるが、嬉野はインバウンドの割合が2、3割でメインは国内需要。しかも、国内でも福岡、長崎、佐賀のお客さまの割合が半数を占めており、テレビ報道で映し出される京都やニセコのような観光ゴールデンルートの状況とは全く違う世界。実際にインバウンドは年々増えて売り上げの下支えをしているが、コロナ禍で会社や雇用を維持するために増えた借り入れの返済や、原材料や工事費の高騰など出ていくお金も増えていて、苦しくはないが左うちわで暮らせるような状況ではない。

 リーマンショックが起きた2008年に24歳で事業継承してから16年がたった。この短い期間でもさまざまなはやり廃りがあり、その度にわれわれは右往左往してきた。その立ち振る舞いは大切で、時代のニーズを捉え変化していくことは間違いではない。でも、少し走り疲れたな。そんなムードの最中に地域編集を掲げる編集者、藤本智士さんと関東から佐賀に移住した写真家の刑部(おさかべ)信人さんをお迎えして嬉野温泉の、佐賀県の、観光の未来について語り合うトークイベントを企画した。テーマは「あたらしい“ふつう”の観光」。既存メディアの考え方に縛られず、「地方」という環境に最先端のわくわくと未知数の可能性を見いだし、数々のプロジェクトを手がけてきた藤本さんから見た佐賀はどう映るのだろうか。まちのことや地域づくりに携わる方、編集に興味をお持ちの方、観光業や行政の方など、肩書にとらわれず「お、何やら面白そう!」と思った方はぜひお越しいただきたい。

 

 ■「あたらしい“ふつう”の観光」〜書籍『取り戻す旅』出版直前トークイベント

【日時】5月9日18時半〜20時半

【料金】1700円(入浴券付き)

【場所】嬉野温泉旅館大村屋 湯上り文庫(〒843−0301 佐賀県嬉野市嬉野町大字下宿乙848)