新緑と主祭殿

 新緑のまぶしい季節です。生き生きとした生命が感じられます。年の始まりは1月1日ですが、12月も1月も寒く、木々は暗い色をしています。しかし、4月から5月にかけて木々は鮮やかな色になります。

 吉野ケ里公園は木々で覆われていますので、この時期が1年の始まりのような気がします。縄文時代から古墳時代に作られた勾(まが)玉(たま)のヒスイやメノウの緑色は、永遠の命の色だとも言われています。

 さて、昨年全国的に話題になった吉野ケ里遺跡の「謎のエリア」から発見された石(せっ)棺(かん)墓(ぼ)が、3〜6日の午前9時半から午後4時半まで公開されています。

 まだ誰の墓かは分かっていません。しかし、弥生後期で石蓋(ぶた)に謎の線刻があり、遠く多良岳付近から運ばれてきた重い玄武岩で石蓋が作られていることなどから、埋葬された人物はただ者ではなかったと思われます。

 7日から31日までの発掘調査日は、発掘の様子を見学できます。新緑の中、吉野ケ里遺跡がまた動き出しました。(吉野ケ里ガイド・福田幸夫)