通常国会がきのう、事実上閉幕した。おととい提出された内閣不信任決議案はすぐに否決された。予想通りだが、絶対ということはない◆44年前のきょう1980年6月22日は、史上初の「衆参同日選」の投票日だった。前月の5月19日、内閣不信任案が事前の予想に反して可決された。これを受け、当時の大平正芳首相が衆院を解散。「ハプニング解散」と呼ばれ、参院選に合わせた投票日になった◆先が読めないから未来は楽しくもあるが、選挙期間中の6月12日、大平首相が急死。「弔い選挙」になって自民が圧勝する展開は誰も予想しなかっただろう◆政治にバラ色の未来はないようだ。2021年、岸田文雄氏が首相就任直後に衆院を解散して総選挙で勝利、翌年の参院選でも自民が議席を伸ばした時、しばらく国政選挙がないことから「黄金の3年」と呼ばれた。それから2年、黄金は色あせてしまった感じを受ける。自民党派閥の裏金問題に加え、増税イメージの払拭を狙った「定額減税」も煩雑な事務に評判が悪い。もし内閣不信任案が可決されていたらどんな展開になっていただろう◆いずれにしても衆院議員の任期は残り1年4カ月。来年の今頃は衆参同日選が現実になっているかもしれない。選挙に筋書きはない。過去最多の56人が立候補した東京都知事選にも注目が集まる。(義)