カメムシの大量発生を受け、鳥取県が対策を強化する。コメの農薬散布支援を拡充するほか、発生予測調査体制を強化する。23日に2024年度一般会計当初予算の予備費1500万円を発動した。

 県生産振興課によると、コメを狙うイネカメムシは近年増加しており、昨年は県西部で被害が多発。今年は暖冬のため、大量に越冬した可能性があり、被害が拡大する懸念がある。

 県は24年度一般会計当初予算で、県西部の田植え後の農薬散布経費支援で約400ヘクタール分を確保。今回の予備費を使い、約1100ヘクタール分に拡大する。さらに、田んぼに設置する粘着トラップは、県西部を中心に県内約30地点を約100地点に増やして発生状況を予測し、農家への注意喚起に役立てる。

 また、県は23日、6月12日開会予定の6月定例県議会に提出する24年度一般会計補正予算案が総額60億円台になるとの見通しを明らかにした。通学路の歩道や高規格道路の整備など公共事業が約51億円を占める。能登半島地震を踏まえた防災対策は約1億円で、感震ブレーカーの設置支援やドローンの活用推進を図る。