犯罪で得た収益を使って電力会社を乗っ取ったとして、警視庁犯罪収益対策課17日、組織犯罪処罰法違反(事業経営支配)の疑いで、埼玉県川口市西青木の会社役員で中国籍の野口剛こと湯暁懿被告(43)=私電磁的記録不正作出・同供用の罪などで起訴=を再逮捕した。同課によると、既存の会社に対する事業経営支配に関する摘発は全国初という。

湯容疑者は共謀して令和2年1月8日〜4年11月9日、飲食店などと電気供給契約を結び、電気代を徴収。一方で、電力会社とは他人名義のクレジットカードなどを使って電力を飲食店などに供給させていたなどとしてこれまでに窃盗容疑などで逮捕されており、今回で12回目となる。

再逮捕容疑は2年3月18日、電力供給を巡って不正に入手した収益などを使って「第一日本電力」の発行済み株式全180株を取得し、配下を代表取締役に選任。株主の議決権を使って4月7日に役員を選任させ、企業を乗っ取ったとしている。