阪神2−0巨人(17日、甲子園)

39年前の伝説の3連発の日に、阪神が3連打で勝利をたぐり寄せた。

0−0の三回、2死から近本、中野の連打で一、二塁の好機をつくると、続く森下の打球は中堅へ。中堅手の佐々木が目測を誤って足も滑らせ、打球は頭上を越えていった。その間に2者が生還。三塁を狙った森下はアウトとなったが、岡田監督は「本当に大きな2点だった」と振り返った。

結果的に安打は三回の3本だけだった。森下は「ワンチャンスをものにできるかできないかで、勝敗は大きく左右される。抜けてくれと全力疾走した」と必死な思いを口にした。チーム打率は12球団ワーストの2割2厘と貧打にあえぐ。森下自身も今季の打率は2割を切っているが、すでにチームトップの10打点をマーク。「(勝負強さが)自分の取りえ」と、2年目スラッガーに悲壮感はない。

1985年のこの日、甲子園でランディ・バース、掛布雅之、岡田彰布による伝説のバックスクリーン3連発が生まれた。お立ち台で森下は「3連発とはいかなかったけど、3連打でチームが勝ててよかった」。打線を鼓舞するように、試合後のスタンドからは勝利の「六甲おろし」が鳴り響いた。(嶋田知加子)