JR岡山駅と出雲市駅を結ぶ特急やくもで使われていた車両381系の「国鉄色」と「緑やくも色」が14日、ラストランを迎えた。2車種は完全に姿を消すとあって、岡山駅には多くの鉄道ファンが訪れた。

 381系は、国鉄時代の1982年に伯備線に導入された。赤とクリーム色が懐かしい国鉄色は2010年ごろまで使われ、緑やくも色は1997〜2011年に運行。ともに、デザインを復活させた「リバイバル車両」が22年から順次、登場していた。

 岡山駅では、詰めかけたファンが列車の到着とともに一斉にカメラを構えた。ラストランは伯備線での落石の影響で、出発が緑やくも色、国鉄色ともに約1時間遅れるトラブルもあったが、ファンに温かく見守られ岡山駅を後にした。

 沿線の鳥取県日南町出身で、夫と撮影に訪れた女性(65)=高知市=は「20代の頃から帰省のたびにお世話になった列車。さみしさと感謝が込み上げた」と話した。

 15日朝は「ゆったりやくも色」の定期運行が終了する。