手羽先料理で人気の居酒屋「世界の山ちゃん」が6月28日、福岡市のJR博多駅そばにある博多バスターミナル内にオープンします。福岡への出店は初めてで、関係者は「鶏料理を好むという福岡の方々に手羽先を味わってもらい、ここを足がかりに店舗網を広げたい」と意気込んでいます。

「幻の手羽先」で人気!

 世界の山ちゃんは、外食企業エスワイフード(名古屋市)が愛知県、東京都をはじめ国内外で展開。海外12店を含め、博多バスターミナル店で81店目です。熊本市内に出した九州1号店はコロナ禍で2022年に閉じたため、今回は“九州再上陸”となります。

 看板商品は「幻の手羽先」。「頼まない人はほぼいない」というほどの人気で、独自配合の調味料により、辛さと風味が後を引く味わいです。すぐに平らげてしまった常連客が「幻のように皿からなくなる」と言ったことから、その名が付いたそうです。1人前(5本)で税込み605円です。

お得なランチやグッズ

 ランチでは、幻の手羽先やみそ串カツ、海老(えび)天むすといった“名古屋名物”の人気メニューが一度に味わえる「山ちゃんセット」(税込み1100円)を提供。幻の手羽先をひつまぶし風にアレンジした「手羽まぶし」(1300円)なども用意しています。

 また、毎月第3火曜には、お得な680円ランチを限定販売するとのことです。

 ほかに、どて煮や小倉トーストといった名古屋らしいフードや、かんきつ系の香りがさわやかな「山ちゃんサワー」「西尾の抹茶割り」といった独自のアルコール類もラインアップしています。

 店頭には、Tシャツやフェースタオルのほか、監修した食品などが並びます。博多駅そばでインバウンド(訪日外国人客)の利用も見込まれるためで、こうした土産品を販売するのはセントレア店(愛知県常滑市)とここの2か所だけ、とのこと。オリジナルグッズが当たるカプセル入り玩具販売機もあります。

「鳥男」は福岡の絵師が

 ちなみに、運営するエスワイフードは、「立派な変人たれ」が社是のユニークな会社。店名の「世界の」は、国内にしか店がない頃、従業員が電話をとる際に冗談で「世界の山ちゃんです」と言ったことに由来します。

 印象的なキャラクター「鳥男(とりおとこ)」は、「開運絵師」とも呼ばれた福岡県春日市の上村禎彦(かみむら・よしひこ)さんが生み出したそうです。創業者で2016年に急逝するまで会社を率いた山本重雄さんが、その作風にほれこんで依頼。山本さんをモチーフにした鳥男は1998年オープンの栄店(名古屋市)の看板に登場すると、「面白い」「ユニーク」と評判を呼び、各店の内装や商品パッケージなどにも使われるようになったといいます。

 広報担当者は「世界の山ちゃんが知名度を上げることができたのは上村先生のおかげ。恩返しのためにも、この福岡で多くの方々に知ってもらい、(幻の手羽先などを味わって)幸せになっていただきたい」と話しています。

 同社は、コロナ禍を経て、店舗網拡大に乗り出しています。国内外で81店となった店舗数を6、7年後には120店にする目標を掲げ、福岡県内では今後1、2年で3店ほど出店したい考えです。

 博多バスターミナル店の島谷俊輝店長(44)は「オリジナリティーあふれる料理がそろっています。福岡でもこの味を広め、県内で(将来的に)20店を構えられるよう、がんばりたい」と意気込んでいます。

 山本久美代表取締役は、「福岡で、手羽先(を選んで味わう)という文化をつくっていきたい。地元に愛される店となるよう努力していくので、ぜひ来店してほしい」と呼びかけています。

◎オープン記念企画も

 オープンを記念し、同店では6月28日〜7月2日、各日先着200人に、幻の手羽先の調味料を使ったオリジナル商品「幻の炒飯(チャーハン)の素(もと)」をプレゼントします。

 また、創業日(6月14日)に合わせ、「幻の手羽先」を“キレイに楽しく”食べる動画の投稿キャンペーンも実施中。広報担当者は「福岡ではなじみがないかもしれませんが、手羽先をスポッとキレイに食べる方法があります。ぜひ試して、キャンペーンにも参加してほしい」としています。

◆店舗概要
【店名】世界の山ちゃん 博多バスターミナル店
【所在地】福岡市博多区博多駅中央街2-1 博多バスターミナル B1F
【オープン日】2024年6月28日(金)
【営業時間】11:00〜23:00(ラストオーダーは22:30)
【席数】カウンター:7席、テーブル:90席