フレンチレストランが手掛ける惣菜店と歯科医師が、知恵と工夫で美味しいメニューを作り上げました。異色のタッグによる商品の開発です。

フライパンの上で焼き上げられているのは、豆腐ハンバーグ。

浜松市中央区に2023年オープンしたフレンチ総菜店「トレトゥール・レンリ」の商品には、他にはない工夫があります。

<総菜店レンリ 羽田野正紘シェフ>
「菜をゴロゴロカットしたものを使用し、咀嚼をうながす商品となっています。歯医者さんと一緒に開発しました」

特徴は、歯科医師と共同開発した商品が並ぶこと。

砂糖を使わないクッキーや小麦粉を使わないパンのオープンサンドなど、健康を意識した総菜が販売されています。

<寺坂元貴記者>
「色とりどりのお総菜が並ぶこちらの店なんですが、じつは同じ建物の中に歯医者さんが入っているんです」

今回、共同開発したのは、歯科医師の増田亜由美さん。日本人の歯に対する意識の低さを問題だと見ています。

<浜松ルアナ歯科医院 増田亜由美歯科医師>
「私たちが患者を診てきて、問題点に挙げるところ、歯周病と心臓や認知症は非常に関係があるので、歯だけでなく基礎の部分から体を作り上げていきたい」

日本は他の国に比べて、歯の定期的なメンテナンスをする人の割合は少ないとされています。

歯の健康を守ることは、体全体の健康につながると考え、食の見直しを進めようというのが今回のプロジェクトです。

<浜松ルアナ歯科医院 増田亜由美歯科医師>
「人参とか子どもが苦手な食べ物をクッキーにしてあげると食べやすいかな」

目的は健康に配慮した美味しい総菜を作ること。

どうしても使える食材は制限されるため、商品の開発には半年ほどかかったといいます。

<レンリ事業担当 高橋智之部長>
「我々は食を提供する側として、おいしいものは当たり前だと思っているので、さらにウェルネスな部分を組み込んだ新商品を提供して皆さんに楽しんでもらいたいと思います」

これまでにありそうでなかった食と健康の組み合わせ。両者は、今後も新たな商品開発に向けて検討を重ねていくということです。