東京・羽田空港で起きた日本航空と海上保安庁の飛行機同士による衝突事故から5月2日で4か月。この事故では、客室乗務員の的確な誘導が大きな注目を集めました。華やかなイメージのある仕事ですが、保安要員というもう一つの顔を持っています。

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「頭を下げて、前にかがんで」

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大きな声で、乗客に指示を出す女性。旅客機の客室乗務員です。

「袋から取り出して、頭からかぶって」

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静岡空港、名古屋空港、神戸空港の3空港を拠点とする地域航空会社FDA フジドリームエアラインズは4月16日、県営名古屋空港で年に1回行う非常救難訓練を実施しました。参加したのは客室乗務員と運航乗務員。今回の訓練では、飛行機が海に着水した想定で、乗客の身を守る方法や脱出方法を確認しました。

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「脱出開始!脱出開始!」

訓練では「モックアップ」と呼ばれる実際の客室と同じ大きさの模型を使います。

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「どうぞ。飛行機から離れて、遠くへ逃げて」

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いつもは笑顔を絶やさない客室乗務員ですが、もう一つの顔は乗客の命を守る「保安要員」。脱出スライドを使った訓練では、乗客への声掛けもあえて強い口調で行います。

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<FDA客室乗員部訓練チーム 西川彩奈チームリーダー>
「緊急事態はいつ起こるかわからないので、常に五感を働かせて乗務することにしている」

「手荷物を持っての脱出はやめて」

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2024年1月、羽田空港で起きた日本航空と海上保安庁の航空機同士が衝突した事故。機体が炎上したJAL機に乗っていた367人の乗客と12人の乗員は、全員脱出しました。この事故では、客室乗務員の的確な対応が多くの命を救ったと大きな注目を集めました。

<FDA客室乗員部訓練チーム 西川彩奈チームリーダー>
「年始から事故もあったけど、常日頃から、いつ、どこで事故が起こって大丈夫なように、普段から客室乗務員には言っていますし、身が引き締まる思いだった」

では、わたしたち乗客が緊急事態に出くわした場合、どうすればいいのでしょうか。

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<FDA客室乗員部訓練チーム 西川彩奈チームリーダー>
「私たちは日頃から訓練を行っているので、乗務員の指示に落ち着いて従ってほしい」

また、脱出する時、絶対にやってはいけない行動とは。

<FDA客室乗員部訓練チーム 西川彩奈チームリーダー>
「手荷物を持って脱出したり、(スマートフォンなどで動画)撮影をするのはやめて欲しい」

華やかなイメージのある客室乗務員ですが、乗客の命を守る保安要員として安全な空の旅を支えます。

もし、飛行機の中で緊急事態に遭遇した時の行動についてあらためて確認します。まず、一番大切なのは訓練を重ねている客室乗務員の指示に落ち着いて従うことです。

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次に、やってはいけない行動については、手荷物を持って脱出する、スマホなどで撮影をする、大声を上げたり勝手に行動することです。自分の身はもちろん、一緒に搭乗している乗客の命を守るために、これらの行動を心掛けましょう。