静岡市の夏の風物詩「安倍川花火大会」まで1か月を切りました。2024年も多くの観客でにぎわうことが予想されますが、大会本部はその大切な足となる「シャトルバス」を運行しないと発表しました。そのワケとは。

静岡県内外から多くの観客が訪れる「安倍川花火大会」。2023年はおよそ55万人が河川敷に詰めかけました。

<坪内明美記者>
「会場へのシャトルバスの乗り場です。午後4時の運行スタートから、お客さんが次々と乗り込んでいきます」

2023年は約1万2000人が利用したシャトルバス。しかし、2024年は運行されません。これには市民も困惑しています。

<市民>
「私が行くときも浴衣を着ている方も多いですし、バスがないと不便なのかなと思いますね」
「交通手段がやっぱりないと…。(会場には)駐車場がないですものね」

背景にはこんな理由がありました。

<安倍川花火大会本部 原田正男会長>
「運転手の労働時間の規制強化、いわゆる2024年問題が4月1日から始まったものですから。シャトルバスについては中止しようと」

1番の課題が「2024年問題」です。バスの運転手は働き方改革により、退勤から出勤までの休息を最低でも9時間は確保しなければいけなくなりました。

花火大会当日、片付けまで含め夜11時まで働いた場合、朝の運行に影響が出かねず、さらに人手不足により、代わりの運転手もいないため今回は断念せざるを得なくなったというのです。

この緊急事態に市のトップは。

<静岡市 難波喬司市長>
Q. バス運行無しの受け止めは
「これは苦渋の決断だと思います。人手不足も進んでいるのでどうしてもバスを確保できなかった」

静岡市の難波市長も今回の決断に、理解を求めました。大会本部では徒歩や自転車での来場を呼び掛けるとともにこんな仕掛けも準備しました。

<安倍川花火大会本部 原田正男会長>
「ルートマップを用意しました。静岡駅から来られる方、また安倍川駅から来られる方、こういった方たちに分かりやすいように、静岡のまちもぜひ知って欲しいなと、いろいろなおいしい商店も結構ございますので」

今年の安倍川花火、どこで見るかもそうですが、どうやって会場に向かうかも知恵を絞ることになりそうです。

大会本部では今年は自転車で来る人が多いとみて、会場近くの公園や学校に駐輪場を10か所用意し、約1万5000台を止められるように準備を進めています。