2024年7月1日、富士山の山梨県側では山開きとなり、本格的な登山シーズンを迎えました。静岡県側は7月10日の山開きとなります。

山梨県側の登山道の拠点となる富士山五合目・吉田口登山道、静岡県側と比べ、売店の数も登山客の数も多いのが特徴です。近年は、特に外国人観光客が増えていて、オーバーツーリズムなどの対策として、2024年から富士登山は大きく変わることになります。

7月1日午前4時半の富士山吉田口七合目。

<UTYテレビ山梨 赤羽亮平記者>
「この時間ですと、本来ご来光が見える時間ですが、今日は雲がかかっているため見ることができません」

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1日朝は雲に覆われ、ご来光を拝むことはできませんでした。

<登山者>
「真っ白....素敵なぐらい真っ白」
「キラッと見えると思ってたけど見られなくて寂しいです」

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荒れた天気となった山梨県側の開山日。五合目に通じる富士スバルラインは強風で通行止めに。
 
<先頭で待つ人>
「午前0時ちょっと前ですよ。毎年のことで1日には必ず登るっていうことにしているものですから」

開通したのは、午前9時でした。

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山梨県側の吉田ルートでは、登山規制が始まりました。一気に山頂を目指す弾丸登山の抑制や混雑緩和などが目的で、1日の登山者数を4,000人に制限します。

また、五合目に設置したゲートを午後4時から翌日の午前3時まで閉鎖し、登山者の通行を規制します。こうした対策費用に充てるため、一人2,000円の通行料を徴収し、支払いを済ませた人にはリストバンドを渡します。

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<登山者>
「これ(リストバンド)を見せないとダメなんだ」

こうした規制に、7月1日の登山者の多くは理解を示しました。

<登山者>
「(富士山を)守るためにはこういうことも必要なのかなというのを思うので、(登山が)好きだし、払うことには別に僕はあんまりいいのかなっていうのはありますね」
「登山の安全のためにはいいと思います」

一方、問題となっているのが。

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<UTYテレビ山梨 三浦正則アナウンサー>
「こちらが外国人登山客です。非常に薄着でこれから登山をするようです。中には半ズボンの人もいます」

7月1日も軽装で登山する外国人の姿もあり、中には、半ズボンやサンダル姿で登山する人もいました。

そして、1日午後4時。

<LIVEしずおか 井手春希キャスター>
「午後4時を過ぎて入り口ゲートが閉まっています。ここから先は山小屋の予約がなければ通行することはできません」

山梨県は、1日3,000人まで登山の予約を受け付けるシステムを運用し、7月1日は予約も含め1,699人が登山したということです。 

<山梨県富士山保全環境エコシステム推進グループ 岩間勝宏推進監>
「登山規制に関しては大きな混乱やトラブルなく、まずは順調な滑り出しとなった」

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山梨県側で始まった富士山の登山規制。安全登山やオーバーツーリズム対策につながるか注目されます。

<UTYテレビ山梨 三浦正則アナウンサー>
「富士山五合目仮設ゲートの前までやってきました。午後4時を過ぎて、いまゲート開いているんですが、強風が吹いているため、一時的に開けていますが、この先は一部の方を除いて先に進むことはもうできません」

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今年の富士登山、山梨県側と静岡県側とでは登山者に対しての対応が異なります。山梨県側は吉田ルートの1つになっていますが、静岡県側は富士宮、御殿場、須走の3つのルートがあります。

この中で変わるのが、吉田ルートです。登山規制が2024年から行われ、通行料(入山料)を一人2,000円払わなければいけません。また、1日当たりの登山者の上限数が設けら、1日4,000人までとなっています。

一方で、静岡県側の登山ルートは、登山者に対して、山小屋の宿泊状況などの事前登録を促します。これには強制力はありません。そして、1日の登山者数の上限もありません。ただ、静岡県では2025年度に向けて、山梨県とはこの山梨県と同じような規制の導入を検討を始める考えということです。

<UTYテレビ山梨 三浦正則アナウンサー>
「7月1日が新しいシステムの導入の初めてということになりましたが、大きな混乱は見られませんでした。ただ、日本の山岳としてはこの富士山で規制されるというのが初めて。そうした中、オーバーツーリズムなどの対策として、これがどこまで機能していくのか注目されます」

<LIVEしずおか 井手春希キャスター>
「そして、2つの県で対応が違いますので、静岡県に登山者数が集中してしまうのではないかという恐れもあります。その点についても注視していきたいと思います」