兵庫県警・阪神地域の警察署でパトカー勤務をする男性巡査部長A(35)と女性巡査長B子(27)が巡回勤務中に交番内で“不適切な行為”に及んでいたとして、県警に処分された。「欲望から流れで行為に至った」と供述している二人はダブル不倫関係だった。

無人の交番に約4時間も滞在していたことがわかった

「日本一厳しい」を自負する警察学校を持つ兵庫県警では、2020年にも尼崎東署管内の交番での不倫と不適切な行為が判明し懲戒処分、2021年には甲子園署の女性巡査部長と男性巡査部長、男性巡査長が不倫関係となり、交番で性行為を行い懲戒、所属長訓戒処分される問題が報じられており、またも“伝統芸”が繰り返された。

A巡査部長とB子巡査長は昨年8月に、パトカーの巡回勤務中に立ち寄った交番の休憩室でコトに及んだとして、それぞれ減給1か月の処分を受けた。二人は当時いずれも既婚者。
 

県警は「二人の距離が近いとの噂が出て上司が聴き取りをしたら、不倫を認め、交番で行為をしたと報告しました。警察官として許されない行為で、厳正に処分しました」と発表している。二人が交番にこもっている時間にパトカーの出動事案はなかったと説明している。
だが、兵庫県警担当記者によると、処分へ至るまでの経緯は少々違うようだ。

「Aはイケメン、B子はスレンダーな体育会系の美女でどちらも署内で人気がありました。いずれも地域課のパトカー勤務員でペアを組んでおり、発覚のきっかけは、無人の交番に約4時間も滞在していたことがわかったためです。

実は見回り中の警察官は、捜査や事件出動のときに指令室から指示を出すためにGPSを持ち歩いており、履歴も残ります。その記録で2人がある交番に居続けたことがわかりました。不審に思った上司が問い詰めると最初は否認していましたが、交番内の防犯カメラの映像もあって言い逃れできなくなり、オチたようです」(記者)

 3年前には交番や参考人室で2人の警察官と…

「科学捜査」が決め手になったというわけだ。
兵庫県警といえば、尼崎東署の交番で妻帯者の男性巡査部長(当時32)と独身の女性巡査(当時21)が3回に渡って情事に及んでいたことが2020年3月に発覚。翌2021年5月にも、いずれも既婚者だった女性巡査部長C子(当時29)と男性巡査長D(当時26)、男性巡査部長E(当時33)が交番などで不倫行為を重ねていたとして、C子が減給3か月の懲戒処分を受けるなどし、C子とDはその後依願退職している。

「C子巡査部長は交番で一人で勤務していた時間に、非番のD巡査長にLINEで『差し入れに来て』とねだり、やって来たDと交番休憩室で性行為に及んだりしていました。その後Dと別れると、今度は所轄署の刑事課に勤務していたE巡査部長とデキてしまい、当直勤務中に署内の参考人室でキスをするなどしていました。『C子が不適切な交際をしている』との内部通報で県警が調べると、C子は『けじめがつけられなかった』と話したといいます」(当時を知る記者)

今回、A巡査部長とB子巡査長の問題の発表を受け、県警担当記者は「交番内でヤラかした警官のことがまた表に出て、兵庫県警は懲りないなと思いますね」とため息をつきながら、背景にある警察内部の変化について解説する。

「これまで女性警官といえばミニパト勤務が主流だったんですが、最近の男女平等の流れで一般のパトカーに女性警官が乗務する機会が増えました。パトカー勤務でペアになると四六時中一緒に行動することになり、そこでデキちゃったんでしょうね。警察内の広報紙でも女性警官のパトカー勤務がよく取り上げられているだけに『なにやってんだ』という話ですよ。一応二人の名誉のために言うと、パトカー内では多分していないと思います。腰回りの装備もいっぱいありますし、さすがに目立ちますからね。とはいえ交番内だってダメですよ」(県警担当記者)

A巡査部長とB子巡査長はどちらも離婚し、その後結ばれた

警視庁や各都道府県警は警察官を採用すると、全寮制の警察学校で法律知識や捜査技術を教え、身体を鍛えさせる。兵庫県警は関西を代表する高級住宅街、芦屋に置く警察学校での生活を「日本一厳しい」と誇り、数年前には地元紙に中での生活を見せている。

当時の記事によれば、生徒には「根性坂」と呼ばれる高低差33メートルの急斜面を鉄板入りのベストなど総重量15キロの装備を身に着けてダッシュすることが課せられると紹介。「これが『日本一厳しい』といわれるゆえんです」と説明した教官が、「初めは息も絶え絶えの学生が、心も体も鍛えられ、卒業時は8往復も朝飯前ですよ」と、警官の卵の成長ぶりを自慢した様子が書かれている。

実はこの警察学校を取材したある新聞記事に、処分を受けたB子巡査長は登場し、規律を徹底する警察学校の重要性を語り、非行少年に寄り添う少年課の警察官になる夢を語っていた。

今回の問題発覚を受け兵庫県警はコメントで「職務倫理教養や業務管理を徹底し、再発防止に努めて参ります」とも強調したが、警察学校のメニューがさらに厳しくなるのだろうか。関係者によると、A巡査部長とB子巡査長はどちらも離婚し、その後結ばれたという。県民の信頼に背き家族に迷惑をかけた責任は大きいが、ふたりは幸せなのだろうか。  

                       
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班