生クリームが減らない天才的なスイーツ、ミニストップの「無限くりーむ」
生クリームが減らない天才的なスイーツ、ミニストップの「無限くりーむ」
『週刊プレイボーイ』で連載中の「ライクの森」。人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。今回は"生クリーマー"の市川紗椰が感動したコンビニスイーツについて語る。

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なめらかな口当たりと程よいコク。あらゆる色彩を浄化したかのようなシンプルな美しさ。真っさらで一見何もないけど奥深く、まるで現代アートのような存在、生クリーム。結局、生クリームだけたらふく食べたいときがあります。

でも、私は大人。みんなとクレープ作るために調達したカルディの冷凍生クリームをこっそり爆食いしたことや、薄皮のクリームパンやミスタードーナツのエンゼルクリームに穴を開けて生クリームを足す"荒技"に手を出したことも、やばい行動だったと自覚してます。

それどころか、こだわりのないカフェのドリンクにのってる(口に脂が残るような)ホイップの大盛りを頼むのさえ、大人だからと、やましさを覚えます。

そんな"自意識過剰生クリーマー"な私の強い味方はコンビニです。一番感動したのは、ミニストップの「無限くりーむ」。カップの中に生クリーム→スポンジ→生クリームの究極のレイヤリング。割合にしたら生クリーム85%、スポンジ15%というところでしょうか。

そして、スポンジの配置も素晴らしい。スポンジの位置はクリームに挟まれた真ん中ちょい下くらい。さらに、塊ではなくちぎって入れられているので、スプーンですくうたびに、自然とぴったりな配分になります。しっかりしたスポンジなので、最低限のスポンジ率でも存在感があり、絶妙です。

「無限くりーむ」はクリームをたっぷり食べたい!という声に応えて誕生したらしいのですが、クリームそのものも最高。北海道産純生のクリームを使っており、軽やかさと口溶けの良さはピカイチ。優しい甘さで、さらっといただけます。

1年前くらいからハマってますが、今年のお正月には「どすこい!無限くりーむ」なる巨大バージョンが出たり、3月2日の「ミニストップの日」にちなんで32%増が発売されたり、季節ごとの展開も楽しみです。

同じくコンビニからは、ファミリーマートで先行発売中のカンロ「生クリームなんて、なんぼ舐めてもいいですからね。」。初めて商品名を見た際、思わず「はい、そうですね」と心の中で大きくうなずいた人は私だけではないはず。

こちらは少し変化球で、スイーツではなく北海道産の生クリームが堪能できるキャンディ。見た目と硬さは昔ながらのミルクキャンディですが、味は濃厚。最初はミルクの甘さがきて、途中からコクが増し、まさに生クリーム。口溶けが魅力のホイップクリームを長時間口に含むことができる、常軌を逸した商品です。

コンビニ以外だと、生クリーム入りクロワッサンを最近よく見ます。横に切ったクロワッサンにちょっとクリームをサンドして......ではなく、クロワッサンの中身をクリームでパンパンにしたものが1、2年前からトレンドに。

韓国の"映(ば)えスイーツ"が発祥みたいで、私は大阪のコリアンタウン・鶴橋で食べましたが、ビジュアルのインパクトだけか?と思いきや、きちんとおいしかったです。サクサクなクロワッサンとトロッとしたクリームのバランスが良く、クロワッサンのバターの風味に合わせてクリームもさっぱり系でした。

●市川紗椰
1987年2月14日生まれ。米デトロイト育ち。父はアメリカ人、母は日本人。モデルとして活動するほか、テレビやラジオにも出演。著書『鉄道について話した。』が好評発売中。クレープは高いものより、安いホイップクリームのほうが好き。公式Instagram【@sayaichikawa.official】