Night Tempoの新曲でコラボした松本伊代さん

韓国人プロデューサーでDJのNight Tempoさんが松本伊代さんとコラボし、新曲「Tokyo Love (feat. Iyo Matsumoto)」を4月10日(水)にリリース!smart Webでは、作詞とヴォーカルを担当した松本伊代さんに、数々の昭和歌謡を令和に新しく甦らせてきたNight Tempoさんとの関係や、秋に開催する単独コンサートへの想い、そしてsmart世代の息子2人との関係性について話を聞いた。

最近感じる“若い世代が昭和歌謡を愛する”という喜び

Night Tempoの新曲でコラボした松本伊代さん

――新曲『Tokyo Love (feat. Iyo Matsumoto)』では、ヴォーカルはもちろん作詞も担当されたということですが、どういう世界観で書かれたのでしょうか?

松本伊代(以下、松本) 最初にNight Tempoさんから「東京タワーの曲です、歌ってもらえませんか」と言っていただいて「是非!歌います!」と答えました。“東京タワー”というテーマは最初から決まっていたので調べてみると、ちょうど3月に東京タワーがチェリーピンクっていう色に点灯するということを知ったんです。「チェリーピンクってかわいい!」と思って歌詞に入れることにしました。ただ、ラブストーリーを今の私の現実で書くのはちょっと……と思って(笑)。昔に戻って書くと、イルミネーションはないからどうしよう……と悩むこともありました。そこから、現在・過去という時空を超えるようにして仕上げていきました。

――今回、コラボレーションした韓国人プロデューサーNight Tempoさんとは以前から親交があったとのことでした

松本 2年くらい前に早見優ちゃんから「Night Tempoさんと一緒にご飯いかない?」と誘われて、そこで初めてお会いしました。その時から「一緒に何かやりたいです」っていうふうにおっしゃってくださっていて。それからライブやイベントに参加させてもらうようになりました。22年に再販された私のアルバムから「Private fileは開けたままで・・・」っていう1曲をリミックスして素敵によみがえらせてくれたこともあって。ライブではNight Tempoさんを目掛けて来るお客さんですごく盛り上がっていたんですが、私の曲でもみなさん分け隔てなく盛り上がってくださったので、すごく楽しく歌わせてもらいました。

――Night Tempoさんは伊代さんからご覧になって、どんな方ですか?

松本 若いのに本当にいろいろ知っていて、シティポップや昔の昭和歌謡はもちろん、日本についてのことは全般的にすごく詳しい方です。今回の曲もそうですが、色々プロデュースもしてくださり、尊敬しています。おしゃべりがお上手なので、いろいろなことをわかりやすく教えてもらいながらお話させてもらっています。カセットテープとかアナログレコードとかもすごく大切に持っていて「伊代さんのカセットテープ、見つけました!」と教えてくださったこともありました。

Night Tempoの新曲でコラボした松本伊代さん

――昭和で愛された曲の良さを、若い世代が知るきっかけにもなっていますよね。

松本 そうですね。息子たちもそうですけど、ヘアメイクさんとかも「Night Tempoさんで(初めて)知った曲があります」とおっしゃる方がいます。実は昨日もNight Tempoさんとお会いしたんですが、入ったお店の方が気を遣ってNight Tempoさんの曲を流してくれていたんです。でも、私は気づかずに「この曲いいよね!私すごく好きだったの〜」と言ったら、Night Tempoさんが「これ、僕がやったやつです」って(笑)。選曲もいいですし、すごいなって思います。私達の世代も懐かしく新しく聴けるし、若い世代の人たちはさらに新しい感じで聴けますよね。

――2人の息子さんたちとも音楽の話はしますか?

松本 2人とも昔の曲がすごく好きで、次男はclassさんの『夏の日の1993』や堺正章さんの『さらば恋人』も好きみたいです。そういった昔の曲を「なんで知ってるの?」って聞いたら「ドラマで流れてて『いい曲だな』と思った」って。Night Tempoさんもそうですけど、やっぱり今の世代のアーティストさんやメディアなどが昔の歌謡曲や文化を若い世代に広げていってくれているのは本当に嬉しいし、ありがたいと思いますね。

20代の息子2人は「自分よりしっかりしている」

Night Tempoの新曲でコラボした松本伊代さん

――2人の息子さんが20代でsmart世代です。普段どんな会話をなさっていますか?

松本 会話はそんなにはしなくて、何か言っても「ん?」とか「しつこいな」とかいう答えしか返ってこないですけど(笑)。何か聞いても「ん?」って言うから、何回もしつこく聞くじゃないですか。そうしたら“ババババババー”って返事が返ってくるんだけど、早口で聞き取れないから、また「え?」って聞くと「もう、しつこいなー!」とか「今言っただろ?」とか言われたり……っていうのは結構あります(笑)。

――20代になったお子さんを見て、ご自身の20代の頃と今の世代とではどのあたりに違いを感じますか?

松本 “世の中の20代”というより、うちの子たちだけなのかしれないのですが「少しのんびりしてるなぁ」という感じはします。パパ(夫のヒロミさん)が20代のときは、もうちょっとあくせくしていたというか、生きていくために必死だったという感じがしますね。

――息子さんたちの強みを挙げるとしたらどんなところでしょう?

松本 「動じない」というところは強みだと思います。芸能人同士の子供なので、良いことも悪いこともいろいろ耳にしてきて、私達には知らない苦労があるのかなっていうふうには思うんです。それでも精神的には強い2人なんじゃないかって思いますね。

――社会人となって子育ての手が離れてから、息子さんたちにしてもらって嬉しかったことはありますか?

松本 子供たちが小さかった頃「大人になったらどんなことをしてもらいたいですか」と聞かれると「車で迎えに来てもらいたいです」とか「送ってもらいたいです」とか言っていましたけど、それは叶ったかなって思っています。今や息子たちの方がしっかりしている感じです。「こんなことも知らないの?」と言われながら、息子たちからいろんなことを教わっていますね。

――ヒロミさんのYouTubeチャンネルを観ていても家族から愛されているのが伝わってきます。

松本 パパが私のことを「ママ、ママ」って言うから、(自分たちも)言わないと怒られると思っているんだと思います(笑)。だから、息子たちはお付き合いする人や今後結婚する人に対してもっと優しくできるだろうと思いますね。

10月の単独コンサートは新曲をきっかけに「若い世代や海外からも来てほしい」

Night Tempoの新曲でコラボした松本伊代さん

――10月には単独コンサート『松本伊代 Live 2024 “Journey” Tokyo Lover』が開催されます。テーマのTokyo Loverは、今回リリースされる新曲からのインスピレーションなのでしょうか?

松本 そうですね、本当にNight Tempoさんのおかげなんですけど、そこからヒントをいただいきました。去年から“Journey”っていうタイトルでコンサートをやらせていただいているんですけど、今年は生まれ育って、今も暮らしている「Tokyo」のたくさんの風景を通して、これまで東京と共に生きてきた自分を振り返る一年にしたいと思っています。

――デビューから40年以上経っても、変わらない歌声には多くの方から定評があります。安定した歌声の秘訣があれば教えてください。

松本 ありがたいことですが、秘訣は本当にそんなになくて……。元々声が低いから(昔と)そんなに変わらないんじゃないかなっていうふうに思います。ただ(声は)常に出してないと、本当に出なくなっちゃうので、家族から「なんでそんなに発声練習行くんだ」って言われるぐらい発声練習には行きますし、家で時々やったりもします。お仕事では歌っているときが一番楽しいですから、「あと何年できるかな」と考えると、やっぱり歌い続けていかないと……と思いますね。

――どんなコンサートにしたいでしょうか?

松本 これからいろいろ選曲していくのですが、新しく来てくださった方も楽しめるように構成したいと思っています。去年は「台湾から来ました!」っていう方もいらっしゃったんです。Night Tempoさんは世界に発信なさってる方なので、海外の方にも東京の素敵なところを知っていただきたいですし、東京見物がてら来ていただけたら嬉しいですね。そして、昔から応援してくださっている方はもちろん、親子で来ていただくなど、若い人にも是非いらしていただきたいです!

(了)

Profile/松本伊代
81年シングル「センチメンタル・ジャーニー」で歌手デビュー。 日本レコード大賞新人賞をはじめ、多くの音楽新人賞を受賞。以降、歌手活動のほかにバラエティなどで活躍。

【作品情報】4/10(水)リリース『Tokyo Love (feat. Iyo Matsumoto)』

アーティスト: Night Tempo
タイトル : Tokyo Love (feat. Iyo Matsumoto)
作詞:松本伊代/作曲:Night Tempo/プロデュース:Night Tempo
配信日:2024年4月10日(水)
配信元:ビクター
フォーマット:デジタル・シングル
ストリーミングサービスおよびiTunes Store、レコチョク、moraなど主要ダウンロードサービスにて配信!
※音楽ストリーミングサービス:Apple Music、LINE MUSIC、Spotify、YouTube Music、Amazon Music Unlimited、AWA、KKBOX、Rakuten Music、TOWER RECORDS MUSIC

【公演情報】松本伊代 Live 2024 “Journey” Tokyo Lover

松本伊代 Live 2024 “Journey” Tokyo Lover公演名:松本伊代 Live 2024 “Journey” Tokyo Lover
日時 :2024年10月12日(土) open 17:00 / start 18:00、 2024年10月13日(日) open 15:30 / start 16:30
会場 :東京・大手町三井ホール (東京都千代田区大手町1-2-1 Otemachi One 3F)
チケット販売 : 先行チケットは2024年4月10日(水)から販売開始

写真=大村聡志
インタビュー・文=石野志帆