昨夏の女子ワールドカップが終わってから、なでしこジャパンの池田太監督は4-3-3システムをテスト。ただ、女子ワールドカップで用いた3-4-2-1システムに比べて機能しているとは言い難く、とりわけアンカーに抜擢された熊谷紗希のパフォーマンスに疑問を抱いた。

 組み立ての際のトラップの位置があまり良くなく、バックパスが多い。攻撃の起点になるべきポジションなのに、前線と最終ラインを繋ぐ役割を十分にこなせていない印象が強かった。なので、インタビュー取材の席で池田監督に直球質問してみた。

「継続的に熊谷選手をアンカーに起用した意図は?」

 そう問うと、池田監督はひとつ頷いたあと、次のように返答してくれた。
 
「DPRコリア戦について言えば、相手のフィジカルの強さに加え、中盤での球際の争いで跳ね返せるかどうかを考えた時に、彼女をディフェンスラインではなくひとつ前のポジションで使うと、そういう選択でした」

 熊谷のフィジカル、守備力を何より評価して、そういう決断をしたということだろう。

 果たして、SheBelieves Cup(4月6日にアメリカと、同9日にブラジルかカナダと対戦)で池田監督はどんなシステム、スタメンを選んで臨むのか。熊谷の起用法を含め、注目したい。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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