現地時間4月7日に行なわれたトルコ・スーパーカップで前代未聞の事態が起こった。

 ガラタサライ対フェネルバフチェの一戦は、試合開始1分にマウロ・イカルディのゴールが決まり、ガラタサライが先制。するとフェネルバフチェの選手たちがロッカールームへと引き上げて試合を放棄したため、ガラタサライの勝利となった。

 もともと、このスーパーカップは昨年12月にサウジアラビアで開催予定だったが、トルコ建国100周年を祝い、選手たちがウォーミングアップで初代トルコ大統領の姿がプリントされたシャツを着用することに対して、サウジアラビア側が政治的スローガンの禁止を理由に難色を示し、直前で延期されていた。
【動画】トルコ・スーパーカップでイカルディが開始1分でゴール!


 その後、スケジュール調整が難航して4月7日に決まったものの、フェネルバフチェは同月11日にカンファレンスリーグの準々決勝オリンピアコス戦(第1レグ)を控えていたため、延期を求めたがTFF(トルコサッカー連盟)はこれを拒否。またトルコ人レフェリーから不利な判定を受けていると主張し、外国人レフェリーの割り当てを要請したがこれも叶わなかった。

 試合前から地元メディアは、フェネルバフチェはこれらのTFFの扱いに抗議する意味で、キックオフは行なうが、その後に試合を放棄する予定だと伝えていた。実際にスーパーカップのピッチに立ったのは、フェネルバフチェU−19チームのメンバーだった。

 フェネルバフチェは公式サイトで、自分たちが行動を起こした理由を明らかにした。

「117年の歴史を持つ我々は、出場するあらゆる部門でトルコのスポーツ界に貢献し、ミュージアムには汗と努力で勝ち取った数多くのトロフィーが展示されている。3000万人の世界中のファンとともに、トルコ国民が誇らしく思える世界最高のスポーツクラブとして、私たちは昨日と同様に今日も明日も堂々と立ち続ける」

 現在フェネルバフチェは、リーグ戦で首位ガラタサライから勝点2差の2位に付けている。残り7節で、最終節前にはガラタサライとの首位攻防戦が控えている。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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