◆陸上 日本選手権1万メートル(3日、静岡スタジアム)

 パリ五輪代表選考を兼ねて実施され、女子は2大会連続世界選手権代表の五島莉乃(資生堂)が自己ベストの30分53秒31で初優勝を飾ったが、派遣標準記録の30分40秒00の突破はならず。「タイムを切ることができずに悔しいレースだった」と涙を見せた。今大会での女子の内定者は出なかった。アジア選手権覇者の小海遥(第一生命グループ)が2位。

 五島がスタートから積極的に飛び出した。派遣標準に迫るペースで快調に飛ばして、小海とのマッチレースとなった。5000メートル過ぎにペースメーカーもかわして力走。左膝から流血するアクシデントをものともせずに独走で制したが、目標としていたパリ五輪は決められなかった。

 昨年の世界選手権7位の広中璃梨佳(日本郵政グループ)=長崎県大村市出身=は欠場。広中は参加標準記録を突破すれば、日本陸連の選考基準を満たして代表に決まったが、持ち越しとなった。(記録は速報値)