2024年、なでしこジャパンはここまで4試合を戦っている。パリ五輪アジア最終予選の北朝鮮との連戦、そして4月にアメリカで開催されたSheBelieves Cupのアメリカ戦とブラジル戦だ。

 その4試合の出場データからパリ五輪18枠の行方を占ってみた。

 4試合全てにスタメン出場しているのは5人。山下杏也加(GK)、清水梨紗(DF)、南萌華(DF)、長谷川唯(MF)、藤野あおば(FW)だ。このうち、山下、南、長谷川は全4試合フル出場と、池田太監督から厚い信頼を寄せている選手だという事実が浮かび上がる。

 キャプテンの熊谷紗希(DF)はブラジル戦を欠場しており、4試合のデータから判断すると、最終ラインの軸はむしろ南との見方もできる。ちなみに、3試合スタメンは、熊谷の他に長野風花(MF)と田中美南(FW)だった。ここまで挙げた8人は、ニュージーランド女子代表との親善試合2連戦(5月31日、6月3日)に招集されている点を踏まえれば、現時点で間違いなくパリ五輪のメンバーにエントリーされるはずだ。

 彼女たちを追うのが先発出場2回の4人、古賀塔子(DF)、植木理子(FW)、北川ひかる(DF)、高橋はな(DF)か。この中でリードしているのは、途中出場を含め全4試合出場の古賀、同3試合出場の植木だろう。2月28日の北朝鮮戦と4月9日のブラジル戦で一定の評価を得た北川も有力候補に映る一方で、パリ五輪アジア最終予選後に負傷離脱した高橋は、今回のニュージーランド戦でのパフォーマンスがカギになる。

 ポジションに関係なく高橋よりもチーム内序列が上なのは、清家貴子(過去4試合の出場記録は先発1回、途中3回)だ。なでしこジャパンではスーパーサブ的な印象が強いが、今季は浦和Lで10試合連続ゴールの偉業を成し遂げリーグ優勝の立役者になっている。アクシデントさえなければ、清家も現時点で間違いなく18人枠に入る。
 
 ここで一旦、清家を含む当確組の9人に加え、古賀、植木、北川を3-4-2-1システムに振り分けてみる。

GK:山下
CB:南、熊谷、古賀
ウイングバック:清水、北川
ボランチ:長谷川、長野
シャドー:藤野、清家
CF:田中、植木

 残り6枠を争うのが、ニュージーランド戦で選ばれたメンバーに限定すれば10人。平尾知佳(GK)、大場朱羽(GK)、高橋はな(CB)、石川璃音(CB)、守屋都弥(ウイングバック)、林穂之香(ボランチ)、谷川萌々子(ボランチ)、宮澤ひなた(シャドー)、浜野まいか(シャドー)、千葉玲海菜(CFかシャドー)である。

 この10人の過去4試合の出場記録は以下の通りだ。平尾(出場なし)、大場(出場なし)、高橋(先発2回)、石川(先発1回)、守屋都弥(先発1回、途中1回)、林穂之香(先発1回)、谷川萌々子(先発1回、途中1回)、宮澤ひなた(途中2回)、浜野まいか(先発1回、途中1回)、千葉玲海菜(途中1回)。出場データとポジションバランスで6枠を予想するなら、平尾か大場、高橋、守屋、谷川、宮澤、浜野となるか。

 もっとも、昨季女子ワールドカップで得点王になった宮澤は昨年ブラジル戦での大怪我もあり今年はなでしこジャパンでスタメンを張っていない。ニュージーランドとの連戦は重要なアピールの場となる。

 あくまで今回の予想は一例である。ニュージランド戦の見どころを整理するための参考資料のひとつと捉えてほしい。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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