日本代表で長年キャプテンを務めた長谷部誠が5月24日、現役引退会見に出席。22年にも及ぶプロ生活の礎を築いた“愛の鞭”について語った。

 現在40歳の長谷部は、高卒で浦和レッズに加入するまでは、地元の静岡県藤枝市でボールを追いかけていた。

 学生時代にはすでに平成に突入していたものの、当時はまだ、いわゆる昭和の色が強かったようで、「自分がプロに入るまで、小学校、中学校、高校と、今では考えられない、そして今では受け入れられない厳しいトレーニングや教育を受けた」と赤裸々に振り返った。

「もちろん賛否両論あるとは思うんですけど、その根底、根本が自分の中にあるんですよね。だから今、若い選手たちがトレーニングして『きつい、きつい』って言ってても、僕にとっては何もきつくないです。粘り強さや歯を食いしばって踏ん張るところは、やはりあの時に培われたものだし。今、こうして大きなキャリアを終える時に改めて、あの中で育てていただいた感謝の気持ちはすごく強いです」
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 また、「印象に残っている言葉や思い出すものはありますか?」と訊かれた際には、「放送できないような理不尽...理不尽ではないですけど、愛情のある走りや、ちょっとした手が出ることもあった時期だった」と切り出し、自身の考えをこう明かした。

「受け取る側がどう受け取るかが大事で、僕はそれを愛情と受け取ることができたので。今でもコーチや監督にビンタされた感覚はあるんですよ。それは例えば、全く自分のプレーができていないのに、他の選手に色々文句を言っていた時に、そういうことをやられたんですけど、そういう人としてのあり方とか、そういうものはすごく覚えていますね」

 プロに入ってからもヴォルフスブルクで、鬼軍曹として名高いフェリックス・マガト監督から厳しい指導を受けた。それでも学生時代の経験を活かして乗り越え、見事にブンデスリーガ制覇を達成。長谷部は以前にドイツ紙のインタビューで、「最も影響を受けた監督」にマガトの名を挙げている。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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