5月24日、長谷部誠が現役引退会見に出席。ユニホームを脱ぐ決断を下した理由とともに、日本サッカー強化について語った。

 現在は森保一監督が率いる日本代表は、ワールドカップ(W杯)において4度グループステージを突破するも、いずれもベスト16で敗れている。ベスト8の壁を越えるためには、いった何が必要なのか。

 長年キャプテンを務め、W杯3大会を戦ったレジェンドは、トップクラブに身を置き、日常的に最高レベルを経験する重要性を説く。

「日本代表の括りだけでなく、間違いなく日本サッカーは進歩していると思います。だけどベスト8の壁という、ここからの段階の方が今までのフェーズよりも大変で難しい領域です。選手たちも成長してきていますし、ビッグクラブでプレーする選手もいますが、今で言えば、マンチェスター・シティやレアル・マドリーのようなクラブで中心としてプレーする選手が出てきたら、安定的に上に行けると思います」
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 今後はフランクフルトのU-21で指導者の経験を積む長谷部はさらに、「サッカーは本当に何が起こるか分からないスポーツ。そういうなかでより経験値を上げていく必要があります。それは選手だけじゃなく指導者もそうだし、メディア、ファンの皆さん、全ての人のレベルアップが必要です」と主張。当事者意識を強調する。

「近道があるわけじゃないので、日本サッカー界に関わる人みんなが一緒になってやっていきたいし、その一部に自分もなればいいなと思っています。でも自分がどう関われるかよりは、ヨーロッパのような高いレベルで、指導者として経験を積んで、何かを積み重ねていった先に、日本サッカーに還元できることがあればいいなと。まずは自分のできることを高いレベルの中でコツコツとやっていきたいです」

「トップチーム、一番上」の監督を目ざす長谷部。いずれは日本代表での指揮もあるのか。直球質問を受けた際には、「日本なのかドイツなのか分からないですけど、将来的にそういう高いレベルでやれる監督になりたいです」と意欲を覗かせた。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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