6月の北中米ワールドカップ・アジア2次予選(6月6日にアウェーでミャンマー、11日にホームでシリアと対戦)に挑む日本代表のメンバー26人が5月24日に発表された。

 すでに最終予選進出を決めているため、新戦力を試す場にする可能性もあったなか、大幅な入れ替えはしなかった。その26人について、現状の序列を整理した。

 システムは4−2−3−1としたが、対戦相手を考えると、実際は4−1−4−1の形で押し込む時間帯が多くなるだろう。

 GKは、アジアカップで正守護神を務めた鈴木彩艶(シント=トロイデン)が、おそらくパリ五輪に向けてU-23代表に回るために選外となった。先発候補は大迫敬介(サンフレッチェ広島)になるだろう。森保ジャパンに定着しつつある前川黛也(ヴィッセル神戸)、快進撃を続けるFC町田ゼルビアで躍動する谷晃生がどこまでその座を脅かせるか。

 アジア杯で評価を上げた毎熊晟矢(セレッソ大阪)が招集外となった右SBは、AZで好調だった菅原由勢が一番手。冬にプレミアリーグへ移籍した橋岡大樹(ルートン)は自信をつけており、持ち味の守備力でアピールしたい。
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 CBは、ふくらはぎの問題で3月シリーズは参加できなかった冨安健洋(アーセナル)と板倉滉(ボルシアMG)のコンビで堅い。欧州でも評価を上げている町田浩樹(ユニオン・サン=ジロワーズ)と経験豊富な谷口彰悟(アル・ラーヤン)がバックアッパーと層も厚い。

 左SBはシュツットガルトの大躍進に寄与した伊藤洋輝が先発を担う。出番のなかった3月に続いて招集された37歳の長友佑都(FC東京)の起用法も注目だ。

 ダブルボランチはキャプテンの遠藤航(リバプール)と守田英正(スポルティング)が軸。ただ、得点力のある田中碧(デュッセルドルフ)、シーズン終盤に怪我から復帰し、コンディションを上げてきた旗手怜央(セルティック)と選択肢は豊富で、組み合わせを変える可能性もある。継続して招集された川村拓夢(サンフレッチェ広島)はどこまで食い込めるか。
 
 腰の故障で長期離脱中の三笘薫(ブライトン)と週刊誌報道の影響で引き続き選外となった伊東純也(スタッド・ドゥ・ランス)が不在の2列目は、それでも人材が豊富だ。

 まず、トップ下は序列では最上位の久保建英(レアル・ソシエダ)、シーズン閉幕までキレが落ちなかった南野拓実(モナコ)、イゴール・トゥドール監督の下で華麗な復活を遂げた鎌田大地(ラツィオ)、そして森保一監督が「4−2−3−1ならトップ下」と起用法を明かしたパリ五輪世代の鈴木唯人(ブレンビー)とタレントは多く、渋滞気味だ。

 そのため、久保は伊東がいない右サイドでの起用か。便宜上、一番手としたが、むしろ最近の試合では堂安律(フライブルク)のほうが状態がいいため、どちらが先発してもおかしくない。
 
 三笘不在の左サイドは、直近2試合で先発している前田大然(セルティック)をスターターとしたが、決定力の高い中村敬斗(スタッド・ドゥ・ランス)との差はない。タイプが大きく違うため、状況に応じて使い分けるだろう。左右を担える相馬勇紀(カーザ・ピア)は、常連組に割って入りたいところだ。

 オランダでプレーする2人が争う1トップは、上田綺世(フェイエノールト)が実績で上回る。ただ、指揮官の信頼が厚かった浅野拓磨(ボーフム)が外れたため、小川航基(NEC)の出場時間も自ずと増えるだろう。

文●江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

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