チャンピオンズリーグ(CL)・準々決勝ファーストレグが10日に行われ、アトレティコ・マドリード(スペイン)とドルトムント(ドイツ)が対戦した。


 今大会、アトレティコ・マドリードはラツィオ(イタリア)、フェイエノールト(オランダ)、セルティック(スコットランド)と同居するグループEに入ると、4勝2分と無敗で終え、首位での決勝トーナメント行きが決定。2シーズンぶりに進んだ決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)のインテル(イタリア)戦では、ホーム開催のセカンドレグでメンフィス・デパイが終盤に同点ゴールを挙げ、PK戦までもつれ込む死闘を制した。


 一方、ドルトムントはパリ・サンジェルマン(PSG/フランス)、ミラン(イタリア)、ニューカッスル(イングランド)が乱立するグループFに組み込まれた。開幕節ではPSGに0−2で敗れたものの、以降は3勝2分と無敗で駆け抜け、終わってみれば“死の組”を首位で通過。2シーズン連続で決勝トーナメントへ駒を進めると、ラウンド16ではPSV(オランダ)を2戦合計3−1で破り、3シーズンぶりに準々決勝行きの切符を掴み取っていた。


 アトレティコ・マドリードはキャプテンのコケを筆頭に、ロドリゴ・デ・パウル、アルバロ・モラタ、アントワーヌ・グリーズマンといった主力をスターティングメンバーに揃えた。一方、ドルトムントもジェイドン・サンチョ、カリム・アデイェミ、ニクラス・フュルクルクと万全の体制を整えて敵地でのファーストレグに臨む。


 試合は立ち上がりの4分に動く。アトレティコ・マドリードは前から圧力をかけてドルトムントのビルドアップを奪いに出ると、イアン・マートセンの横パスが入った瞬間にデ・パウルがスピードアップ。インターセプトしてペナルティエリア内に入り込むと、冷静にゴールへ流し込み、アトレティコ・マドリードが最初のチャンスをゴールに繋げた。


 勢いに乗るホームチームは続く7分にも、グリーズマンのクロスボールからアクセル・ヴィツェルがヒールシュートを狙うも、ここはGKグレゴール・コベルのビッグセーブに阻まれる。その後も主導権を握って試合を進めると、32分にはリードを広げることに成功。敵陣右サイドでセカンドボールを拾ったモラタが横へ繋ぐと、ボールを持ったグリーズマンが左へ流し、最後はサムエウ・リーノがゴールネットを揺らした。


 アトレティコ・マドリードの2点リードで後半へ折り返しても、より多くのチャンスを作ったのはホームチームだった。両サイドのスペースをうまく活用しながら、ナウエル・モリーナやマルコス・ジョレンテがチャンスを迎えるも決められず。75分には敵陣左サイドで得たフリーキックで、グリーズマンの蹴ったボールからリーノにチャンスが訪れたものの、GKコベルの好セーブに阻まれた。


 終盤に差し掛かると、ドルトムントが反撃の狼煙を上げる。82分、ボックス手前の位置で最終ラインからの縦パスを引き出したマルセル・サビツァーがダイレクトでフリックすると、引き取ったユリアン・ブラントが左足で繋ぎ、最後はうまく収めたセバスティアン・ハラーが右足でシュートを叩き込む。途中出場のブラント、ハラーが絡んで1点を返した。


 さらに押せ押せムードとなったドルトムントは87分、敵陣右サイドでボールを収めたジェイミー・バイノー・ギテンスがドリブルで切れ込み、左足を振り抜くと、シュートはディフレクションしてクロスバーを叩く。後半アディショナルタイムには右サイド高い位置を取ったユリアン・リエルソンのクロスボールから、ブラントがヘディングシュートを放つも、こちらもクロスバーに嫌われた。


 試合はこのままタイムアップ。アトレティコ・マドリードは多くの時間で主導権を握り、ホームで先勝を遂げた。一方、ドルトムントは終盤の猛攻で1点差に詰め寄っており、ホームに帰って逆転を狙う。


 セカンドレグはおよそ1週間後の16日、ドルトムントの本拠地『BVBスタジアム・ドルトムント』にて開催される。


【スコア】

アトレティコ・マドリード 2−1 ドルトムント


【得点者】

1−0 4分 ロドリゴ・デ・パウル(アトレティコ・マドリード)

2−0 32分 サムエウ・リーノ(アトレティコ・マドリード)

2−1 81分 セバスティアン・ハラー(ドルトムント)