AFC U23アジアカップ カタール2024の準決勝が29日に行われ、U−23日本代表はU−23イラク代表に2−0で勝利した。この結果、U−23日本代表はパリオリンピック2024(パリ五輪)の出場権を獲得。1996年のアトランタ大会から、8大会連続で五輪行きの切符を掴んだ。


 今大会、グループBに組み込まれたU−23日本代表は、6日に行われた第1節でU−23中国代表を1−0で破ると、19日に行われた第2節ではU−23UAE代表を2−0で撃破したものの、22日には首位通過を懸けた第3節U−23韓国代表戦を0−1で落とした。この結果、グループBの戦いを2勝1敗で終えることとなり、2位で決勝トーナメントへ進出。25日に行われた開催国のU−23カタール代表との準々決勝では、前半途中に退場者を出したU−23カタール代表をなかなか攻略できずに延長戦までもつれ込んだが、延長前半にFW細谷真大(柏レイソル)が勝ち越しゴールを決めると、延長後半にはFW内野航太郎(筑波大学)がトドメを刺し、4−2で激闘を制した。


 迎えた準決勝、勝てばパリ五輪行きが決まるU−23イラク代表との一戦では、28分にMF藤田譲瑠チマ(シント・トロイデン/ベルギー)の浮き球パスで抜け出した細谷が、巧みなターンから右足で先制弾を沈める。前半終盤の42分には、左サイドでDF大畑歩夢(浦和レッズ)が粘りを見せ、ボックス手前で前を向いた藤田がダイレクトで繋ぐと、最後はMF荒木遼太郎(FC東京)が追加点をゲット。後半に入るとU−23イラク代表の攻撃に苦しむ時間帯もあったが、GK小久保玲央ブライアン(ベンフィカ/ポルトガル)を中心に無失点で凌ぎ切り、2−0でタイムアップ。この結果、パリ五輪出場権を掴み取るとともに、優勝を果たした2016年大会以来となる決勝進出を決めた。


 前記の通り、これでU−23日本代表はパリ五輪への出場が確定。細かく記すと、パリ五輪のアジア枠は「3.5」となっているが、五輪出場権を懸けた同大会において、決勝へ進むことが決まったU−23日本代表とU−23ウズベキスタン代表はアジア予選の1位、2位チームとなることが決まった。準決勝で涙を飲んだU−23イラク代表、U−23インドネシア代表は、現地時間で5月2日に控えた3位決定戦を勝利すれば、アジア予選の3位チームとしてパリ五輪へストレートインすることができる。3位決定戦で敗れたチームは、アフリカ予選の4位チーム(U−23ギニア代表)とのプレーオフに回ることとなる。


 なお、既にパリ五輪本大会の組み合わせ抽選会は実施されており、決勝の結果によって、U−23日本代表がパリ五輪本大会でどのグループに入るのかが決定する。優勝を果たした場合、南米予選を1位で終えたU−23パラグアイ代表、アフリカ予選を3位で終えたU−23マリ代表、ヨーロッパ予選を3位タイで終えたU−23イスラエル代表と同居するグループDに入る。一方で準優勝となった場合は、ヨーロッパ予選を1位で終えたU−23スペイン代表(※2023U−21欧州選手権では準優勝だったが、優勝したイングランドは五輪出場権を有していないため1位扱い)、アフリカ予選を2位で終えたU−23エジプト代表、北中米予選を2位で終えたU−23ドミニカ共和国代表と同組のグループCに組み込まれる。


 U−23ウズベキスタン代表との決勝は日本時間で5月4日の0:30(3日の24:30)にキックオフ予定。果たして、若き日本代表はアジアの頂点に立ち、有終の美を飾れるだろうか。



【ハイライト動画】U−23日本代表、イラクを破りパリ五輪行きの切符を掴む