好調な滑り出し見せた今宮健太

3月29日に開幕したプロ野球は早くも3カードを消化。パ・リーグでは、ソフトバンクと西武が6勝3敗で首位を並走。4連覇を目指すオリックスは3カード連続負け越しの3勝6敗とやや出遅れている。

SPAIAでは3月29日から4月7日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。

wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。

パ・リーグ週間MVPインフォグラフィック


リーグトップのwRAA5.1を記録したのはソフトバンク・今宮健太。オリックスとの開幕3連戦は10打数2安打だったが、4月に入ってから6試合で3度のマルチ安打を記録するなど18打数7安打と打棒が爆発した。

今季初の1番起用となった3日のロッテ戦(PayPayドーム)では今季1号となる先頭打者本塁打を放つと、翌4日の同戦で2戦連発となる2号ソロで通算500打点を達成。球界屈指の守備職人がバットでもチームに貢献している。

西武・佐藤龍世は開幕スタメン逃すもチームトップ6打点

ソフトバンクと首位で並ぶ西武では、佐藤龍世がwRAA4.9でトップ。今季から「10」を背負う27歳はオープン戦の打率が.176と低調で開幕スタメンを逃すも、三塁の定位置を争うライバル、ブランドンが故障で離脱したこともあり、4月に入ってスタメンに定着した。

ここまで7試合の出場ながら、6日の日本ハム戦(エスコンF)で今季1号となる決勝3ランを放つなど、チームトップの6打点を荒稼ぎ。このまま好調を維持し、三塁レギュラーへの完全定着を目指したい。

2年連続最下位からの巻き返しを狙う日本ハムでは田宮裕涼が好調だ。高卒6年目の23歳はここまで全8試合に出場し、24打数11安打でリーグトップの打率.458をマーク。wRAAは3.3でチームトップだった。昨季25本塁打を放った万波中正に続き、大ブレイクなるか注目だ。

最下位のオリックスは西野真弘がwRAA2.7でトップだった。オープン戦で打率.462と結果を残した33歳は2年連続で開幕スタメン入りすると、ここまで7試合に出場して18打数6安打でチームトップの打率.333をマーク。リーグワーストのチーム打率.179と低調な打線の中で、10年目のベテランが孤軍奮闘の活躍を見せている。

遊撃レギュラー定着狙うロッテ・友杉、楽天・村林が打撃で結果

4位のロッテでは友杉篤輝がwRAA2.3でチームトップだった。スタメンで出場した全6試合でヒットを放つなど、20打数8安打の打率.400をマーク。藤岡裕大から背番号「4」を受け継いだ23歳が遊撃レギュラー獲得へ、まずは打撃でアピールに成功している。

5位・楽天では村林一輝がチームトップのwRAA1.7をマークした。昨季自己最多の98試合に出場した26歳は、2日の日本ハム戦(エスコンF)で今季チーム第1号を放つと、7日のソフトバンク戦(楽天モバイル)では今季初の猛打賞を記録し、チームの勝利に貢献。今季は攻守両面で安定した成績を残し、正遊撃手の座を確固たるものとしたい。

各チームのwRAAトップとなった選手のポジションは捕手1人、二塁手1人、遊撃手3人、三塁手1人と、ここまでは守備が重要視されるポジションの選手たちの活躍が目立った。好調な出だしを見せたソフトバンクは近藤健介に柳田悠岐、西武は外崎修汰、アギラーら主軸も躍動。3位以下のチームは主砲の早めのお目覚めに期待したいところだ。

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