関西拠点の急造チームが「IASF The Dance Worlds」2位

チアダンスのクラブチーム世界一を決める国際大会「IASF The Dance Worlds」が4月26日から29日にアメリカ・フロリダ州のディズニーワールドで行われ、日本のAPEX Cheerdance TeamがOpen Elite Pom部門で銀メダルに輝いた。

The Dance Worldsは2007年に初めて開催され、25カ国以上の選手が参加。ポンポンを使用するPom部門はシャープでクリーン、かつ正確な動きとダンステクニックが求められ、同調性、統一性、位置間隔の正確性なども含めて採点される。

日本のチアダンスは世界的に見てもレベルが高く、今大会の金メダルも日本で1990年に結成されたSilver Wings。2位がAPEXで、3位はアメリカのSPACE JAMだった。

関西を拠点に活動するAPEXは2022年10月に結成したばかりで、1年半で銀メダルの快挙。チームを立ち上げた関かおり代表は「本当に1年半でよくここまで来れました。選手たちの頑張りを誇りに思います」と胸を張った。

APEX Cheerdance Team

APEX Cheerdance Team提供

世界大会で銀メダル3度の関かおり代表が立ち上げ

関かおり代表は富士通のチアリーダーとしてアメフトの応援などをした後、チアダンサー、インストラクターとして独立。日本代表チームのメンバーとしてアジア大会金メダルや世界大会で3度の銀メダル獲得などの実績を持つ。

APEXはメンバーの一人、柴山桃夏から相談されたことが結成のきっかけだった。

「彼女は今は高校の体育教員をしているのですが、大学最後の引退試合がコロナ禍でなくなったので諦めきれない、もう一度踊りたいと言ってきたんです。そこからいろいろな子に声をかけてチームを結成しました」

急造チームのため高校生から社会人までおり、年齢も違えばバックグラウンドも違う。選手間のレベル差が大きいだけでなく、大阪府泉南市や兵庫県神戸市など住んでいる場所もバラバラのため練習場所を確保するだけでも大変だった。

それでもチアダンスで世界を目指そうと団結し、トレーニングに明け暮れた。チーム名「APEX」の意味は「頂点」。関代表が「いつか頂点を取りたいのと、世界大会で名前を呼ばれた時に、音がかっこいいから」とこのワードを選んだ。

結成半年で臨んだ昨年は国内の大会で7位だったため「IASF The Dance Worlds」への出場権を獲得できなかったが、今年は積み重ねた努力が結実。アメリカの大舞台で選手12人とサポート1人、全員の気持ちと情熱が一致してこその銀メダルだった。

次こそ頂点目指して再始動

1年半で銀メダルを獲得した今、次は金メダルも期待される。関代表は「ここまで突っ走ってきたんで、この先は考えてませんでした」と苦笑いしながらこう話す。

「2位は嬉しいですが、優勝チームとは差があり、内容的にはまだまだというのが実感です。もう一回、優勝を狙いたいとみんな言っています。ただ、来週の再始動でどれくらい集まるかによりますね」

学生から社会人までいる急造チームをひとつにまとめる苦労を滲ませながらも、世界一への熱い思いは変わらない。頂点を狙うAPEXの夢にはまだ続きがある。

APEX Cheerdance Teamと関かおり代表

APEX Cheerdance Team提供


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