2024年1月に東京・日生劇場、2〜3月に大阪・名古屋・福岡・岡山(予定)にて、ミュージカル 『トッツィー』を上演することが決定し、主演俳優と第一弾ビジュアルも発表された。

原作は、ハリウッドの名優ダスティン・ホフマン主演で有名な1982年公開映画『トッツィー』。売れない中年男優が知恵を巡らせて女装したところ、一躍大人気スターになってしまうというアメリカン・ジョークたっぷりの映画が、時と場所を現代のブロードウェイの舞台に置き換え、装いもあらたにミュージカル・コメディとして生まれ変わり、瞬く間に話題沸騰となった。

2019年のトニー賞ミュージカル部門においては、ミュージカル作品賞をはじめ計11部門にノミネートされ、最優秀脚本賞および最優秀主演男優賞に輝いた。

音楽・歌詞のデヴィッド・ヤズベック、脚本のロバート・ホーン、演出のスコット・エリス、振付のデニス・ジョーンズといった、現代のブロードウェイで活躍する、超一流の作家とクリエイティブが集結して作られたミュージカルが、来年日本に初上陸する。

そして、主演のマイケル・ドーシー&ドロシー・マイケルズに扮するのは山崎育三郎。今回の発表を受けて、山崎からのコメントも届いた。

山崎育三郎

山崎育三郎

ーーミュージカル『トッツィー』、ブロードウェイの最新ミュージカル・コメディのオファーを受けた時の心境は?

またひとつ大きな挑戦が始まると思いワクワクしました。これまで出演したミュージカル作品の中で、最も音域が広く、マイケルとドロシーの演じ分けも役者としてのやりがいを感じます。特にドロシーになってからの楽曲は、女性のソプラノの音域が必要になるので、数年前から女性キーを出すためのヴォイストレーニングを始め、オーディションでは英語の歌詞で挑みました。

ーー原作は1980年代のハリウッド映画でダスティン・ホフマン主演、山崎さんが演じられる役はダスティン・ホフマンが演じていましたが、映画またはブロードウェイ版ミュージカル版を見られたときの作品の印象はどうでしたか?

映画では、昼ドラの世界で80年代を描いていますが、ミュージカル版の舞台は現代のNYブロードウェイ・ミュージカルでドロシーが活躍していきます。そこが大きな違いになります。作品に出てくる登場人物は、一人ひとりのキャラクターが明確で、それぞれの人生の葛藤が描かれています。そしてなんと言っても、ミュージカル『トッツィー』が愛されるのは名曲揃いなこと! 楽曲の美しさ、魅力がこの作品を彩っています。

ーードロシーのヘアメイク・衣裳で、女性・女優になりきってスチール撮影をされましたが、役になって撮影に臨んだ手ごたえ、仕上がりをお聞かせください。

撮影現場には男性スタッフさんが沢山いらっしゃったんですけど、男性の目線がいつもと違うといいますか。自分を見る目が凄かった(笑)。40代の色っぽい女性、少しふくよかな身体のラインも衣裳デザインチームに表現していただいて、赤いドレスが、また情熱的な気持ちにさせてくれました。なんだかこの格好をするとすごく自信が持てて、胸を張ってステージに立てそうな、開放的な気持ちになれました。そこにドロシーになるヒントを感じましたね。

ーー山崎さんが演じられるマイケルは山崎さんと同業の俳優ですが、マイケルの俳優としての考え方や共感する部分、逆にマイケルに山崎さんがアドバイスすることはありますか。

マイケルは自我が強すぎて、人に寄り添ったり、相手の気持ちを気にしない人物です。ミュージカル作品はチーム戦なので、そこに気付けないと難しいかもしれません(笑)。
役者には、タイミングや運、そして、どんな作品に出会うか、どんな役と出会うかということは、すごく大きいと思います。彼はドロシーとして、自分の夢を掴んでいきましたが、役者には我慢の時間も必要だと思います。

山崎育三郎

山崎育三郎

ーーこの作品が持つメッセージを教えていただけますでしょうか。

ミュージカル『トッツィー』は、ミュージカル・コメディなので、とにかく笑えて、見終わったあと本当に楽しかった! 幸せ! 最高のミュージカルを観た! という気持ちになれると思います。それに加えて、現代の多様性、いろんな形がある中で、人を受け入れること、みんなそれぞれ様々な形があるということ、そして年齢に関係なく自分が一歩踏み出せばいつからだって変われる、新しい自分に出会える、そういう大きなテーマがあります。

そして、素晴らしい脚本、演出、音楽、振付、衣裳、セット、これぞミュージカルの醍醐味が全てが詰まった作品です。

2024年は、ドロシーが皆さまをメロメロにします。最高の年のスタートを一緒にきりましょう。ミュージカル『トッツィー』、劇場でお待ちしております。Chu!

【あらすじ】
俳優のマイケル・ドーシーは、演技へのこだわりと熱意は人一倍だが、演出家やスタッフと揉めてしまう、性格に難ありの男。俳優として芽が出ない日々が続いていた。
演技指導の仕事もしながら舞台に出るチャンスを探している中、自分が指導している女友達がミュージカルのオーディションに落ちたことに発奮。女性になりきって”ドロシー・マイケルズ”と名乗り、オーディションを受けたところ、合格してしまう。個性的なキャラクターが際立つ女優ドロシーは、プロデューサーの目に留まり、瞬く間に数々のミュージカルに引っ張りだこ、一躍人気スターになってしまう。素の自分=男としては俳優として全く売れないのに、女優ドロシーになりきると、共演者やスタッフなどから人望まで得てしまったマイケル。同じ舞台で共演することになったジュリーは同業者のドロシーを人として信頼を深めるが、かたやマイケルはジュリーに恋をしてしまい……。