『コーラスライン』の作詞家であるエド・クレバンの成功と挫折、そして取り巻く登場人物たちの感動の実話を描いた、ブロードウェイミュージカル『クラスアクト』。1970年代のニューヨークエンターテインメントの原点を描き出す本作の稽古場取材会が、2024年5月14日(火)に行われ、オフィシャルレポートが到着した。取材会には、主人公エド役の筧利夫、エドのよき理解者ソフィ役の紫吹淳、ミュージカルワークショップの同級生ルーシー役の高橋由美子、「コーラスライン」の作曲家マーヴィン役の吉田要士、エドがエンターテインメントを学んだミュージカルワークショップの教師リーマン先生役のブラザートムが登壇した。


ウィッグをかぶり、自身のことを「エド・クレバンです」と名乗って挨拶した筧は、「稽古初日からこういう風貌でやっています。この場にいるときは“筧利夫”ではなく、あくまでもエド・クレバンでございます」と笑顔を見せる。稽古については「まだネジは締まってないです」と言いながらも、「途中途中にかわいらしいナンバーがたくさんあります。稚拙な演技力の役者が全くいないカンパニーです。過去に色々な経験をされてきた方達ばかりですので、まさに夢の世界を楽しんで頂けると思います」と語った。

見どころは、「2幕後半のコーラスラインを踊るシーン」。筧は、「女性陣は全員ハイレグのレオタードなんですよ。地方に行くと、それなりのお年の方もいらっしゃるので、これほどの夢を与えることはない。僕も衣裳リハーサルが楽しみで仕方ないです」と声高にアピールした。


それを受けて紫吹は、「あの出で立ちで踊ることになるとは聞いていなかったので、震え上がっています。今、あまりハイレグってないので」と苦笑いで話し、高橋は「あまりにも過激だったから、気持ち手を加えていただきましたが、足が長く見えるかっこいい衣裳です」と明かした。続いて高橋は「今回、私は鳥の衣裳でも出ます。とにかく衣裳がすばらしいです」と本作の魅力にも言及した。

一方、吉田は「ハイレグが登場するシーンは、エドが『コーラスライン』を製作しているシーンなんですが、あの有名な踊りだけでなくクリエイティブな意見の戦いも描かれています。みんなの意見を合わせながら、作品が出来上がっていくところも僕は見どころだと思います」とコメント。ブラザートムは「この作品の役柄について説明をしているYouTube動画を公開しますので、できたら『コーラスライン』を見て、音楽を聴いて、YouTubeを見てから劇場にお越しいただけるといいと思います。作家の姿を描いたミュージカルなので分かりにくいかもしれませんが、勉強をしてくれればよりその世界が分かると思います」と本作の楽しみ方を伝授した。


今回の公演は、東京を皮切りに北海道から沖縄まで全国を回る。全国ツアーの楽しみを聞かれ、紫吹は「お食事はもちろん楽しみですが、各地でお客さまの反応が違うと思うので、それがどうなるのかも楽しみです。普段、あまり行かない場所も今回は回りますので、ぜひ楽しみにしていてくれたらいいなと思います。この作品は、実話なので、より真実味のある物語になっていると思います。自分に置き換えたり、周りの方に置き換えたりして楽しんでいただける作品です」と思いを寄せた。

最後に筧は「とても可愛らしくて笑って泣けるミュージカルです。家族や親戚の方を引き連れてぜひ劇場でご覧になってください。チャンスがあれば、この舞台に立てるかもしれないという大胆なサービスのあるお芝居ですので、ぜひ稽古着を持って劇場に来てください」と冗談を交えながらメッセージを贈り、会見を締めくくった。

なお、この日の稽古公開では、エドの仲間たちがお別れ会のために集ってきて歌うオープニングナンバーと、まだ若いエドとソフィが歌うラブソングの2シーンが披露された。いずれも明るく華やかでポップな音楽に乗せて物語が綴られ、作品への期待もさらに高まった。