人気バンド「Dragon Ash」のボーカル・Kjこと降谷建志(45)が5日までに自身のインスタグラムを更新し、ワンマンライブを一時休止することを明かした。

 降谷は「ライブに足を運んでくれている皆へ」とし「時間がある時に読んで貰えたら嬉しいです」と書き出した。「いつも掛け替えの無い一時をありがとう」と感謝を記すと「空っぽのライブハウスを埋め尽くすオーディエンスが自分の音楽を必要としてくれなければ、きっとこんなに長く、気の遠くなる程の数のライブをやり続けては来れませんでした。扉の外はままならない事ばかりだけど、この中はいつも嘘が無くて、正解も不正解も地位も性別も年齢も何も関係無くてさ、間違いなくアナタ達の声や表情や感情がなければ自分の音楽人生は遠に終わっていたと思う」とファンの大事さを伝えた。

 また「自分とドラムのサクは十代から一緒にライブハウスで音を鳴らしています。学校帰りに制服のまま下北沢の箱に行って小さな楽屋でセンター街の古着屋Voiceで買った4枚2千円の福袋に入ったTシャツに着替えて、宇田川町のオクトパスアーミーで買ったお気に入りのショートパンツを履いて、大人の対バン相手に思っくそ嫌な顔されながら、鼻と耳のピアスをチェーンで繋いでてサウンドチェックの時にビリッビリに感電しながら、スッカスカのライブハウスの千鳥格子の床ばかり見てライブしていました。きっと近道せずに1から路地裏で始めたバンドマンは皆、誰かに自分の音楽を必要としてもらえる事が、音楽に関するどんなに秀でた哲学より、どんなに崇高な美学よりもずっと素敵な飛びっきりの財産だと知っています」と自身の音楽人生を振り返った。

 続けて「断言出来る。自分の音楽人生にとって最も大切な場所はライブハウス、最も大切な時間はライブ、最も大切な事は代価を払って時間を割いて見に来てくれた人にライブを楽しんでもらう事。そしてそれを他の誰でもなく自分自身が楽しむ事。2人が15歳から立たせてもらっている板の上、今は45歳。今まで積み重ねて来たライブよりも、これから積み重ねるであろうライブの方が圧倒的に少ないんだろうな...だからこそ、許された残りの日々を精一杯謳歌して誠実に向き合いたい」とライブに対しての思いもつづった。

 そして「1度、ワンマンという形式でのライブに関してのみ、少しだけ時間を置いてみようと思っています」とワンマンライブを一時休止するとした。期間については「ほんの少しだけね」とし「残りのバンドマン人生をどう生きたいのか、何を表現したいのか。自分と膝突き合わせて語らう時間が欲しいです」と自身を見つめ直す時間がほしいと説明した。

 現状は「The RavensとDragon Ash、2つのバンドのツアーを途切れる事無くひっきりなしに回っていてはスタジオおろか東京に居る時間もとても限られているのが現状です」とし「この音楽に対する途方も無く前向きな気持ちや湧き上がる創作欲求に従順でありたいのです。だしシンプルに、コンポーザーとしてとても曲が作りたい」と曲作りに力を入れたいとした。

 ワンマンライブは一時休止するものの「ライブハウスでの対バンやイベント、ロックフェス、自分を必要としてくれる現場があるのなら今までと変わらず、いやむしろ喜んでクラウチングスタートで馳せ参じます」と、音楽活動は継続するとし「これからもバンドやオーディエンスが皆で分かち合って共鳴出来るライブを作り上げる為にほんの少しの時間、楽曲制作に重心を置かせて下さい」と伝えた。

 それでも「今もThe Ravensのツアー、イベントの真っ最中、日々のライブ、メンバーとの愛おしい時間、ロードクルーとのブラッシュアップ、お客さんとの他愛無いやり取りや会話が、全身の穴という穴全てから血吹き出るくらいマッジで心の底から楽しくて仕方が無いです」と心境を記した。

 最後に「The Ravensは5月25日 渋谷O-EASTがツアーファイナル」「Dragon Ashは8月3日 金沢Eight Hallがツアーファイナル」「2つ共大好きなロックバンド」「これが現時点で決まっている最後のワンマンライブです。今の自分が持っているものはそこに全て置いてこようと思っています。路地裏のライブハウスでお逢いしましょう。そこで心からのありがとうを言わせて下さい」と締めくくった。