◇インターリーグ ドジャース―ブルージェイズ(2024年4月27日 トロント)

 ドジャースの大谷翔平投手(29)が27日(日本時間28日)、敵地でのブルージェイズ戦に「2番・DH」で先発出場。第2打席で花巻東の先輩にあたる菊池雄星投手(32)から右前適時打を放ち、2試合連続安打をマークした。これで菊池とは昨年の対戦から2試合連続で安打をマークした。

 第2打席も再び好機でめぐってきた。2―0とリードを広げた2回2死一、三塁。大谷はカウント2―2から5球目の98マイル(約157.7)キロを完璧に捉えると、119.2マイル(約191.8キロ)の強烈な打球で一、二塁間を破り、チーム3点目となる打点を挙げた。打球速度119.2マイルは自己最速、ドジャース史上でも最速で、今季のここまでのMLB全体でも最速となった。

 注目の第1打席は初回無死三塁の先制機で打席を迎えた。菊池は直球を続けて2球で追い込むと、最後はカウント1―2から5球目の97マイル(約156.1キロ)直球を108.7マイル(約174.9キロ)の鋭い打球ではじき返したが、二塁手の好守もあって二ゴロ。三塁打で出塁したベッツは還れなかった。それでも続くフレディ・フリーマンが左翼へ犠飛を打ち上げ、1点を先制した。

 第3打席はベッツの適時打が生まれて4―0とリードが広がった4回1死一塁。この打席も2球で追い込まれると、カウント1―2から最後はカーブにタイミングを外されて空振り三振に打ち取られた。

 第4打席は4―0の7回1死走者なしの場面。2番手左腕ゲネシス・カブレラの初球90マイル(約144.8キロ)カットボールを狙ったが、二塁へのゴロ。しかし、これを二塁手キャバン・ビジオがはじき、敵失で出塁した。

 大谷と菊池の過去の通算成績は20打数6安打で打率.300、3本塁打、1四球、6三振。大谷は26日の試合後に菊地との対戦に向けて「もう結構打席はやっている。でも、毎年毎年そんなに数があるわけではない。去年も言いましたけど、僕らももちろん大事ですけど、学校(花巻東)も教えてもらった先生方もそうですけど、そういう方にとっての方が楽しみじゃないかと思います」と話していた。

 両者にとっても因縁があった。大谷がFA交渉していた昨オフ、一部の米メディアが「大谷は飛行機でトロントへ」「今日にも決断」などと報じ、大谷の移籍先を巡って情報が錯綜(さくそう)。さらに「菊池がトロントの球場近くにある高級寿司レストランを予約。50人分」との真偽不明の情報も出回るなど、大騒ぎになった。

 このFA騒動をめぐって、26日のブルージェイズとの初戦では敵地ファンから大ブーイングを受けた。スタメン発表の際にや打席に入った際に洗礼を浴びたが、それでも初回に7号ソロ。ロバーツ監督には「並んだぞ」と伝えたことを明かし「今のところそこを目標に頑張っているので、明日はまた打てるように頑張ります」と記録更新へ意欲。相手ファンからの大ブーイングには「僕がブルージェイズのファンだったらブーイングすると思いますし、そこもスポーツの一環だと思います」と大人の対応を見せていた。

 21日のメッツ戦で松井秀喜氏を抜く日本選手最多のメジャー通算176号となる今季5号を放った際に「次の目標はポストシーズンでの活躍か?」と問われ大谷は「その前に監督の記録を抜きたい」と返して笑いを誘っていた。24日のナショナルズ戦で大谷がフェンス直撃の二塁打を放った際にはロバーツ監督が「入るなと願ったと、彼に伝えたよ(笑い)。まだ生き残った」とジョーク交じりに答えるなど、記録をめぐって両者のやり取りにも注目が集まっていた。