大相撲夏場所(12日初日、東京・両国国技館)で新入幕を果たした欧勝馬(27=鳴戸部屋)が3日、東京都墨田区の時津風部屋へ出稽古して計16番取った。

 まず平幕力士6人による申し合い稽古に参加し、大関経験者の御嶽海(31=出羽海部屋)や正代(32=時津風部屋)らを相手にいきなり5連勝。前傾姿勢を崩さない低い押し相撲の強さを見せた。

 その後、大関・豊昇龍(24=立浪部屋)に指名されて連続で5番。9年前の春にモンゴルから同じ飛行機で来日した盟友と稽古場で火花を散らした。前ミツを引いて頭をつける低い攻めで上がり座敷まで吹っ飛ばすなどいきなり3連勝。その後は2連敗したが、大関相手に通用する力を示し「前に圧力をかけることができてよかった」と好感触を得た。

 三番稽古が終わると、そのまま豊昇龍の胸を借りてぶつかり稽古。何度も転がされて砂まみれになり「キツかったです…」と苦笑い。それでも、明日以降の出稽古について「また豊昇龍関について行ってかわいがられようかなと思います」と自ら厳しい稽古を望んでいた。

 初場所の大の里、春場所の尊富士と、ここ2場所連続で学生相撲出身の新入幕力士が大活躍しており、日体大出身で元学生横綱の欧勝馬にも新入幕旋風の期待が掛かる。「みんなに言われるんですけど、考えたら硬くなってしまうのでいつも通りいきます」と平常心で臨むことを誓った。