元世界2階級王者の京口紘人(30=ワタナベ)が自身のYouTubeを更新。6日に行われた井上尚弥(大橋)の東京ドーム防衛戦、ルイス・ネリ戦で見せたモンスターの“凄さ”を解説した。

 京口は11日に韓国・仁川でIBF世界フライ級9位のビンス・パラス(フィリピン)との対戦を控えているが「試合近いけどこの試合だけは(動画)撮りたいと思って見た」と切り出した。

 京口が指摘したのは1ラウンド目の井上のダウンシーン。「1ラウンド目からサプライズ。ドンピシャのカウンター。しかもアゴに入って意識も飛んでいた」と4団体王者からダウンを奪ったネリのパンチは完ぺきだったと説明した。

 その上で「(井上の)何が凄いかって、カウント8まで休んでから立った」と解説した。

 東京ドームの大観衆と異様なムードの中、バランスを崩したアンラッキーなダウンではなく、完ぺきに倒された。4万人が騒然とする中、井上だけは冷静だったという。

 一度ダウンすればカウント10に達する直前まで回復に使える。焦ってすぐに立ち上がれば調子に乗った相手がたたみ掛けてくる。井上はカウント8まで休んでダメージを回復させ、同時に相手の勢いも止めた。

 それをプロ初ダウン、日本ボクシング史上最高の大舞台で当たり前のようにやってのけた。

 京口は「冷静に出来たモンスター、マジ凄い」と、自らも大舞台を踏んで来た元王者らしい視点で井上を称えた。

 そしてKO勝利を奪ったシーンには「今までで最高の倒し方。エグい。もう事故」と最大級の賛辞を送った。