日本ハムの育成右腕・柳川大晟投手(20)が支配下登録されることが8日、分かった。一両日中にも正式発表される見通しで、球団では福島蓮投手(21)に続く今季2人目の支配下昇格となる。九州国際大付から21年育成ドラフト3位で入団し、今季最速157キロを計測する期待の剛腕で、就任3年目の新庄剛志監督(52)と同じく入団3年目の若武者が、ついに1軍の舞台に上がる。

 無限の可能性を秘めた“北の怪腕”が、ついに2桁背番のユニホームに袖を通す。育成3年目の柳川が、近日中にも支配下登録されることになった。今季は自己最速157キロを計測するなど、球団側は着実に成長していると判断。7月31日の支配下登録期限まで日程的猶予はあるが、1軍戦力として早期の支配下昇格を決めたもようだ。

 柳川は九州国際大付から21年育成ドラフト3位で入団。1年目こそ、高校3年夏に右肘手術した影響で3試合の登板に終わったが、2年目の昨季は2軍で13試合に登板し1勝0敗、防御率1・72。失点したのは回またぎした2試合(計3失点)のみで、1イニングだけでは計8試合で無失点と安定したリリーフ適正を見せていた。

 今季は球団側の勧めもあり、4月から先発にも挑戦。同25日のDeNA戦で今季初先発すると、日本球界復帰した筒香から155キロの直球で空振り三振を奪うなど2打数無安打に封じ、4回1安打1失点と好投した。今月4日の楽天戦では5回5安打1失点と好投し、先発としての可能性も見せた。

 近日中にも本拠地エスコンフィールド北海道で入団会見を実施する予定。新庄監督も今春のキャンプで「レベルアップするスピードが、物凄く速いっすね。昨年と全く違う。面白い投手になる」と、期待を込めていた。

 チームは大事なソフトバンクとの首位攻防戦で今季初の同一カード3連敗を喫し、5・5ゲーム差に拡大したが、まだシーズンは31試合を消化しただけ。新庄監督も「こういう結果になったけど、下を向くことはない」と前向きだ。柳川の今後の登板日は未定だが、早ければ今月中にも1軍登板する可能性もある。フレッシュな新戦力が首位浮上へのピースとなる。

 ◇柳川 大晟(やながわ・たいせい)2003年(平15)8月21日生まれ、大分県日出町出身の20歳。九州国際大付では甲子園出場なし。21年育成ドラフト3位で入団。今季2軍で7試合に登板し3勝1敗、防御率3・66をマーク。9イニングあたりの奪三振数は驚異の11・44を誇る。右投げ、右打ち。1メートル91、92キロ。

 ▽育成から支配下登録された日本ハム選手 19年に育成ドラフト1位で入団した宮田輝星外野手(福岡大)、2位・樋口龍之介内野手(立正大―BC新潟)、3位・長谷川凌汰投手(龍谷大―BC新潟)はいずれも支配下登録され、1軍でプレーした。今年3月14日には、高卒3年目の福島蓮投手(八戸西)が昇格し、すでに2試合に先発し、0勝0敗ながら防御率2・70と好投を見せている。