広島・堂林翔太内野手(32)が12日、出場選手登録を抹消された。今季は出場26試合で打率・210、0本塁打、5打点。開幕戦を含む22試合で4番を務めたものの、打撃は4月下旬から下降線を描き始め、7日の阪神戦を最後に先発落ちが続いていた。不振による抹消は3年ぶり。「若い子たちと泥だらけになり、結果を出して上がってくる」と力を込めた。代わって林晃汰内野手(23)が昇格する。

 マツダスタジアムに隣接する屋内練習場。堂林は全体メニューを消化しつつ、マシンを相手に懸命にスイングを繰り返した。21年の6月と9月以来、実に3年ぶりとなる打撃不振による出場選手登録抹消。帰途に就く際に重い口を開いた。

 「練習からしっくりきていなかったし、どういうふうになっているというのも、自分では分からなかった。2軍に落ちて当然。当たり前の結果だと思う」

 スタートは順風満帆だった。3月29日のDeNA戦で、松山と並ぶ球団最遅の15年目で初の開幕4番に指名され、2安打1打点。本塁打は出なくても、打線の軸としてコンスタントに安打を重ねた。ところが、4月下旬になって潮目は変わる。

 23日のヤクルト戦から快音が途絶え、それを引きずったのか25日の同カードでは「怠慢だった」と自己反省する走塁ミスもあった。結果、前後の26打席で無安打が続き、今季初めて7番に入った5月7日の阪神戦を最後に先発を外れていた。

 「(見つめ直すのは心技体)全部。(2軍で)できれば早い段階から打席に立ちたいと思っているし、やれることは全てやって、結果を出して上がってくる。それだけ。また若い子たちと泥だらけになって、イチから頑張りたいと思う」

 堂林は厳しい表情を崩さぬまま、復調を期してうなずく。開幕4番というだけでなく、選手会長をも務める32歳の痛い離脱。新井監督は「最近思うように状態が上がらず、心身ともに疲弊していると思う」と胸中を察した上で言葉を重ねる。

 「1軍にいたら、なかなか打席の中で修正できない。ここは一度リセットし、ファームで打席に立って状態を上げてきてほしい…と伝えた。堂林はチームに必要な選手。もちろん期待しているし、何が彼にとってベターなのか…を考えて」

 再登録は阪神戦(マツダ)のある22日から可能ながら、再調整の期限は設けられていない。本来の姿を取り戻し、1軍で再び躍動する時を待ちたい。(江尾 卓也)