◇プロボクシング62・5キロ契約8回戦 吉野修一郎(三迫)《8回戦》ジュレス・ビクトリアーノ(フィリピン)(2024年6月17日 東京・後楽園ホール)

 元WBOアジア・パシフィック、東洋太平洋、日本ライト級王者・吉野修一郎(32=三迫)が16日、再起戦の前日計量に臨み62・3キロでパスした。計量後には、62・2キロでパスした対戦相手のジュレス・ビクトリアーノとがっちり握手を交わし「復活というのもあるが、僕にとってもチャレンジマッチ。いつも通りの試合をすればおのずと結果はついてくると思う」と22年11月以来の白星を見据えた。

 昨年4月、米ニューヨーク州ニューアークで行われたWBC世界ライト級挑戦者決定戦で元世界2階級制覇王者シャクール・スティーブンソン(米国)に6回1分35秒TKO負け。プロ初黒星を喫して世界挑戦権を逃して以来、約1年2カ月ぶりのリングとなる。試合後は7月に右肘の手術を受け、11月中旬からは練習を再開したが「今でもパンチを打ってもガードしても痛む。状態はよくも悪くもない」と万全ではないことを明かすが「試合になったら思いっきり振る」と全ての力を出し切る構えだ。

 世界との差を痛感した昨年4月のシャクール戦の映像は今でも見返すという。初回は手応えを感じながらも、2回と4回にダウンを喫し、6回途中でレフェリーストップ。「たらればになるが、もっとこういうことすれば良かったな、とかはある。戻れないが足りないところはたくさん分かった」と約1年2カ月の期間で自分を見つめ直した。

 目指したのは元4階級制覇王者ローマン・ゴンサレス(帝拳/ニカラグア)のスタイル。攻撃を止めずにプレッシャーかけながら、カウンターを狙い続ける戦い方を担当する椎野大輝トレーナーと重点的に仕上げてきた。「試合でどうなるかは分からないが、またちょっと違うスタイルも見せられたらいい」と進化を証明する。

 また今月でジムを離れる椎野トレーナーとは最後の試合となる。「2015年からタッグを組んで9年間ずっと僕を見てくれていたので寂しい」と思いを口にしながら、恩師にささげる白星に意欲を示した。