バレーボールのネーションズリーグ男子決勝トーナメントが29日(日本時間30日)、ポーランドで準決勝が行われ、世界ランク2位の日本が、同3位のスロベニアと対戦した。

 第1セットは相手のミドルを狙ったサーブで崩し、エース石川が連続得点を挙げるなど序盤でリードを奪った。中盤で流れが変わり一時は12−12と同点に追いつかれたが、レシーブや関田のワンハンドトスなどで粘り強く得点を重ね、最後は西田のサービスエースで25−21と奪った。

 第2セットはいきなり5点連取。その後、1点差まで詰め寄られた際には西田がコースを変えながら連続スパイク。さらに石川も連続スパイクで流れを渡さない。中盤では17−19とポーランドに2点のリードを許すが、石川のブロックなどで食い下がり、最後は第1セットと同様に西田のサービスエースが決まり、27−25で連取した。

 第3セット序盤は一進一退ながら、大塚のサービスエースで初めて9−6と3点差を奪う。さらに石川の緩急をつけたスパイクで連続得点。西田も連続得点で流れをつかんだ。日本のチャレンジ成功もあり16−10と6点のリードを奪ったが、スロベニアのエース・シュテルンなどの攻撃で4連続ポイントを奪われて、ついに20−20の同点となった。その後、29−29までもつれる大熱戦。最後はスロベニアのスパイクが外れ、スロベニアはチャレンジを申し出たが判定変わらず、31−29で日本の勝利となった。

 日本は27日(同28日)に行われた準々決勝でカナダを3−0と圧倒。エース石川が両チーム最多の26得点を挙げるなどけん引した。金メダルを獲得した72年ミュンヘン五輪以来となる主要国際大会での決勝進出を懸けて準決勝に臨み、見事に52年ぶりの決勝進出となった。また、ネーションズリーグとしては前回大会の銅メダルを上回る初の決勝進出を果たした。

 世界ランク3位のスロベニアはパリ大会が五輪初出場。組み分け抽選会では、開催国フランスと同じA組(日本はC組)に入った。昨年のパリ五輪予選B組では米国、日本に次ぐ3位で出場権を逃したが、今年のネーションズリーグ1次リーグ後の世界ランクでパリ行きを決めた。

【試合後の談話】

 ▼石川「内容が良い試合ではないが、しっかり我慢できたのが勝因。3セットとも追いつかれてしまった甘さが出たが、1セットも落とすことなく勝てたのは評価できる。(レシーブも試合を左右したことに)ディフェンスは僕たちの強み。途中から入った選手もディフェンスで流れをつかんでくれた。入った選手が活躍して勝てた。(決勝戦も)やることは変わらない。ただ、初めての舞台なので、決勝がどういう舞台なのかをイメージしながら、五輪に必ずつながる試合になると思うので、自分たちの持っている力を出したい」

 ▼西田「素直にうれしいが、ここで終わったわけではない。決勝はタフな試合になる。個人的にも予選でフランスにはすごくやられてしまった。その借りを返す準備をしたい。男女とも決勝に行けることはうれしいこと。僕たちは金メダルを獲れると思っているので、その準備をしっかりしたい」