静岡県庁

リニア問題に加え、度重なる不適切発言で全国的に注目を浴びることとなった静岡県の川勝平太 知事。多くの批判や非難が寄せられる一方で、そのような知事を選んだ静岡県民に対しても少なからず冷やかな視線が送られていた気がします。

次の知事を選ぶのは我々県民であることを自覚し、5月9日の告示日を前に改めて知事選について考えてみたいと思います。


静岡県知事選はいよいよ5月9日に告示されます。

新たな知事の誕生を決める選挙で激しい選挙戦が予想されていますが、これまでの選挙戦を振り返ると”ある共通点”が見えてきました。


川勝知事 対 自民系候補の争い


初当選した川勝知事(2009年7月)

2009年7月に初当選を果たした川勝知事。

当時の民主党や社民党などの推薦を得て、自民党・公明党が推薦した候補を約1万5000票の僅差で下しました。


国会の風景(2009年)

時は、自民党から民主党への政権交代前夜。

ここから川勝知事に自民党が支援する候補が対決を挑む構図が始まります。


選挙活動中の広瀬 一郎候補(2013年)

自民党が支持した広瀬一郎 候補:
二重のねじれの解消が第一。さしたる失政がないことが次の4年間を預けることにまっとうな理由のように仰る向きがありますが、何もしないからではありませんか

2013年に挑んだのは自民党が支持をした広瀬一郎 氏。知事選で川勝知事は100万票を超える票を獲得。トリプルスコアの大差をつけ、川勝人気を見せつけます。


選挙活動中の溝口紀子候補(2017年)

続く2017年に川勝知事に挑んだのは…

自民党県連約20支部が推薦した溝口紀子 候補:
今ここで県政を変えなければ本当にいじめられるんです。私はそういう意味でもジャンヌダルクになりたい。静岡を変えたい

オリンピック柔道の銀メダリスト・溝口紀子 氏です。

自民党県連は推薦を見送りましたが、静岡市を中心に自民党県連の20の支部が推薦。

川勝知事は県内の市町で唯一、静岡市で敗北しましたが、27万票あまりの差で再選しました。


自民系候補を退け続け川勝知事4選果たす


選挙活動中の岩井茂樹候補(2021年)

そして前回、2021年には…

自民党が推薦した岩井茂樹 候補:
新しい風を今入れないと間に合わなくなる

「政治生命を懸けて選挙に臨む」として立候補した自民党の元参議院議員・岩井茂樹 氏との一騎打ちで川勝知事は95万票あまりを獲得し、4選を果たしています。


静岡県庁

自民系の候補が挑むも、ことごとく跳ね返してきた川勝知事。

15年に及んだ川勝県政のあとを巡る戦いはどうなるのでしょうか。


与野党対決の構図は鮮明に 経済界は…


川勝知事時代のこれまでの知事選

これまでの知事選を振返ってみると衆院選の前哨戦ともいわれた2009年の知事選で民主・社民など推薦の川勝知事が初当選しました。

その2週間後には衆議院が解散され、民主党に政権交代となりました。

その後、再び自民党政権となっていますが、知事選では2013年、2017年、そして2021年と支援や推薦などの形の濃淡はありますが、いずれも自民系の候補が敗れています。


立候補を予定している6人

それでは今回の知事選の候補者を改めて見てみましょう。

自民党が推薦する大村氏、国民民主党や立憲民主党、連合静岡などが推薦する鈴木氏、そして前回は川勝知事を自主支援していた共産党は公認で森氏、さらにそのほか3人が立候補を表明しています。


これまでの知事選とは異なる背景が…


西原茂樹さん

5月9日の告示を前に6人が立候補を表明していますが、川勝知事の時代の選挙戦を政党という側面でみると自民党は実質的には4連敗を喫しました。

また、2024年4月の衆院補選で自民党は公認候補を出せない選挙区もあり全敗しています。こうした中、自民党本部は大村氏の推薦を決定しました。

これにより、与野党対決の構図が鮮明となり全国的にも注目度が高まっています。

総務省地域力創造アドバイザー
西原茂樹さん(元牧之原市長):
これまでは自民党が弱かったというよりも3選、4選時の川勝さんが強かったという感じ。

それとこれまでと違うのが、これまでは自民党が選んできて「この人出すよ」と言って知事選に出してきた。ところが、今回は大村さんが自分で出馬を決めて色々な支持者や会派が集まって来ている所に自民党が推薦を決めたという点が大きく違う


西原さんと蓮見アナウンサー

今回も与野党対決と言えそうですが、出身地で見ると大村さんは静岡、鈴木さんは浜松で、それぞれの経済界が支援している状況にあり、県内経済界の中部vs西部ともいえそうです。

精神科医・木村好珠さん:
今回、自民党に推薦してもらうのが果たしてプラスになるのかな?と感じますね

総務省地域力創造アドバイザー
西原茂樹さん(元牧之原市長):
木村さんの言う通りですね。自民党が前面に出ない方が良いという見方もできますね。大物国会議員が応援に来るのが良いか悪いかは難しいです。

この時期に自民党本部が大村さんの推薦を決めたというのは、ある程度勝算がある、いけると踏んだからだと思うけど、公明党県本部が自主投票という中で注目したいですね。

それと市町の問題は県政と密接な関係がある中で、首長が特定の候補者支持を表明しているのはこれまでにはあまりない特徴的なことだと思います。

経済界は中部も西部もお互い協力し合っている部分が多いので対決姿勢を鮮明にしたくなかったはずで、大村氏が立候補を表明した時に中部経済界としては西部経済界にもオール静岡での支援を要請してましたしね。

こうしてスタートした以上、企業も首長も色々考えて判断していくことになるでしょう


知事選は、5月9日に告示され26日が投開票です。次の静岡県のリーダーを決めるのは私たち有権者の1票だと言うことを改めて意識して投票に臨みたいものです。