赤ちゃんの歯磨きについて「○○の方法をとっているけど、これって大丈夫?」と心配するママ・パパは多いようです。中には歯磨きが大嫌いで、悪戦苦闘している家庭も! 今回はそんな皆さんから上がってきた疑問質問を、乳児期の歯のケアに詳しい倉治ななえ先生に聞きました。

歯磨き嫌いを防ぐには、早い時期からのケアがポイント!

赤ちゃんを育てているママ・パパから集まった質問は下記のとおり。
倉治先生は、「今は歯が生える前から歯ブラシでケアする時代!」と教えてくれた上で、質問に答えてくれました。

Q. 歯の本数がまだ少ないので、ガーゼでふき取りするだけでOK?(9カ月)

A. 歯の本数が少なくても、歯ブラシでケアをしましょう

赤ちゃんの歯磨き嫌いを防ぐためには、早い時期から歯ブラシに慣れさせることが大事。本数が少なくても、また、できれば歯が生える前から、毎日歯ブラシでケアしましょう。ガーゼでのふき取りは、外出先など、日常以外の場面で行うのがいいでしょう。ふき取りする際は、現在コロナ禍でもあるため、個包装タイプのふき取り用シートを使う方が感染対策におすすめです。

Q. まだうがいができません。歯磨き粉を使うのはもっと先でOKですか?(1才)

A. 低濃度のフッ素配合アイテムでまずは慣らしましょう

歯磨き粉が将来苦手にならないよう、最初からフッ素入りのアイテムでケアを。フッ素は、歯の組織を強くし、むし歯になりにくくする役目があります。通常はうがいが必須ですが、口をゆすがなくてもOKな低濃度のフッ素配合ベビー用アイテムが市販されています。

Q. 歯磨きをとても嫌がられるので、夜だけで精いっぱい。1日2回磨くべき?(1才3カ月)

A. 仕上げ磨きは1日1回でOK!朝は自分磨きだけでも

朝・晩2回がベストです。ただし、さまざまな事情があると思うので、2回が難しいなら、仕上げ磨きは1日1回、しっかり行いましょう。ただ、その場合も朝に何もしないのではなく、自分磨きの時間は作って(赤ちゃんが自分磨きをしているときは保護者が必ず見守りましょう)。短くとも時間を設け、1日2回の習慣を整えることが大切です。

Q. 歯磨きすると暴れるので、毎回太ももでロック。これでいいかな?(1才5カ月)

A. 無理な歯磨きをする前に、まずは嫌がる理由を見直して!

むし歯を指摘され、急を要する場合は、ロックしてでも行って。そうではない場合、まずはなぜ嫌がるかこまかく確認を。多くは痛みが原因です。やわらかめの歯ブラシを選んだり、強い力でゴシゴシせずに、一本一本やさしくていねいに磨いたり、上の唇の筋である上唇小帯をガードしたりなど、仕上げ磨きを見直してみましょう。あお向けが嫌いなら、椅子に座らせて磨く方法もありますよ。

取材・文/江原めぐみ、ひよこクラブ編集部

倉治先生の最後の回答にもある通り、赤ちゃんが歯磨きを嫌がるときは、痛みが原因であることが多いそう。毎回、泣かれてしまうときは、磨き方を改めてチェックするのがよさそうです。

参考/『後期のひよこクラブ』2024年春号「赤ちゃんが歯のケアを嫌がる!どうすればいいの?」

●記事の内容は2024年4月の情報で、現在と異なる場合があります。

監修者
倉治ななえ 先生
PROFILE:テクノポートデンタルクリニック院長 歯学博士 日本歯科大学附属病院 臨床教授