宮城県が進める仙台医療圏の4病院再編構想で、新病院の設置先となっている名取市で21日、住民を対象にした説明会が初めて開かれました。住民からは新病院に期待する声が聞かれる一方、県の進め方に厳しい意見も上がりました。

初めて名取市で開かれた説明会では、県の担当者が「名取に新病院を整備することは救急医療や周産期医療の強化につながる」などと構想の意義を改めて説明しました。

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仙台医療圏の4病院再編構想のうち、仙台市太白区の赤十字病院と名取市の県立がんセンターを統合して名取市に移転することについては、すでに基本合意が結ばれています。また、名取市には精神医療センターの分院を置く構想になっています。

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説明会では、名取市に新しく病院が移転することについて、参加者からは様々な声が上がりました。

参加者:
「救急搬送では県内平均の約50分に対し8分ほど多くかかっているとのことでありますが、新病院の立地により、短縮が期待される」
「どの世代でも、病院が来るっていうことは、日常を変える、日常を支えるということなる。一日も早く移転してほしい」

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一方で、不安や県の進め方に疑問を呈する意見もありました。

参加者:
「(名取とか)地域で見ればいいが、仙台医療圏全体で見ると病院が減る、仙台医療圏の病院のサービスが低下する」
「一番核になるべく仙台市とほとんど話も行われない。もっと幅広く時間をかけて意見を聞いて進めるのが当たり前」

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県は、「仙台市と具体的な課題を出し合って協議を進めていく」などと理解を求めました。

伊藤副知事:
「医療圏全体の水準が上がる、医療機能を維持することにとどまらず、再編で機能をレベルアップすることを念頭において進めている」

伊藤副知事

県による住民説明会は、太白区八木山地区で27日にも開かれる予定です。