全国の住宅や土地の実態を調べる国の調査で、宮城県内の空き家の数はおよそ14万戸と過去最高となりました。増え続ける空き家への対策として、県内では古民家を再利用する動きが進んでいます。

仙台市太白区の「蕎麦処 初代伝五郎」。午後1時半を過ぎてもひっきりなしに客が訪れます。

TBC

客:
「こんな雰囲気の中で食べると、なおおいしい」
「雰囲気が良い。昔ながらで実家感がある」

実はこの建物、材木屋だった築100年の古民家を改装したものです。古民家を再生・保存する取り組みを行っている藤木武人さんは、「古い建物ならではの価値を活かしている」と話します。

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全国古民家再生協会宮城県連合会 藤木武人会長:
「大きな大黒柱というのが必ず古民家にはある。ケヤキの一本もので、どーんとそこまで伸びている。ケヤキの一本ものっていうのは、新築ではなかなかない。あったとしてもとんでもない金額」

全国古民家再生協会宮城県連合会 藤木武人会長

柱や梁、建具までが今では手に入りづらいケヤキで作られたこの建物。もともとは住み手がいない「空き家」でした。

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全国古民家再生協会宮城県連合会 藤木武人会長:
「あまりお金をかけないで使うのも一つの手。ここは上手に使っている」

5年ごとに行われる国の住宅・土地統計調査によりますと、去年10月1日時点で県内の「空き家」の数は14万戸と、前回より9500戸増え、過去最高となりました。県内全ての住宅に占める空き家の割合、空き家率は12.4%です。

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こうした中、全国古民家再生協会は、この10年ほどの間に県内でおよそ50棟の空き家の再利用を手がけました。

全国古民家再生協会宮城県連合会 藤木武人会長:
「少し手を加えれば使えるというものはどんどん使う、財産ですから。建てたときはそれなりにお金がかかってますよね。それをお金をかけて壊すことは無い」

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今後も増え続けることが予想される空き家。利活用や処分などの対策をより一層進めることが求められています。市町村などは「空き家バンク」を開設するなど対策をとっていますが、空き家の数は少子高齢化と人口減少などから全国的に年々増加しています。

古民家再生協会は古民家(空き家)についての相談を受け付けています。電話番号は022−341−4351です。