築170年になる古民家を改装した手打ちそばの専門店が23日、宮城県栗原市にオープンしました。店主は、過疎化が進む生れ育った集落の活性化につなげたいと意気込む元郵便局長です。

真剣な表情でそば打ちをする栗原市栗駒文字の菅原敏元さん(65)です。23日、待ちに待った特別な日を迎えました。

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そば処もんじ永左エ門 菅原敏元さん(65):
「栗駒にはそば屋がなかったので、この1号店を機に俺もやってみたいなと思う人が生まれることを願っている」

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自ら構えたそば店をオープンすることになり、開店を前に、客に提供するそばを愛情を込めて打っていきました。

菅原敏元さん:
「不安半分、期待ドキドキ半分。都会の人にこの自然を見てもらいながら、安らげる空間ができたら町おこしにつながる」

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実は、菅原さん。元郵便局長で、10年ほどから趣味でそば打ちを始めました。今年3月に退職し、第二の人生としてそば店の開業を決めました。店は、菅原さんが生まれ育った築170年になる自宅の古民家を、一部改装した昔ながらの落ち着いたつくりとなっています。

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そして、午前11時。「そば処もんじ永左エ門(えいざえもん)」いよいよ開店です。

オープンを心待ちにしていた客がさっそく訪れました。ちなみに店名の「永左エ門(えいざえもん)」は、古民家を建てた菅原家初代当主の名前からつけたそうです。

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栗原市内から訪れた客:
「文字にもそば屋ができたことで嬉しい。十割そばということで、すごく期待して来た」

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訪れた人たちは菅原さんが打ったそばをおいしそうに味わっていました。提供するのは、茨城県産のそば粉を、つなぎを使わず打ったやや太めの十割そばです。

訪れた客:
「コシがあって甘くて美味しい。香りもいい」
「ちょっと寄ってみたところ。ちょうどきょうオープンということで香りも良くて歯ごたえもあって美味しい」
「ますます繁盛してほしい。活性化につながればいい」

オープン初日は用意した20食分全てが客に提供され、菅原さんは、安堵した表情を見せていました。江戸時代には、そばの産地だったと伝わる栗原市の文字地区。文字地区をそば街道にするのが菅原さんの新たな夢です。

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そば処もんじ永左エ門 菅原敏元さん(65):
「皆さんに喜んでもらいやって良かった。心よい疲れ。みんなが寛げる安らげるそんな憩いの場になれば幸せ」

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菅原さんが開業した「そば処もんじ永左エ門」木曜日から日曜日が営業日です。手打ちそばは、営業日の開店前に仕込むため一日限定、20食となっています。菅原さんは、将来的にはそばの栽培にも取り組み地元文字地区のそば粉を使った手打ちそばを提供していきたいと話していました。