アルカラス「浮き沈みがあった。でも、それがテニス」
現地4月30日、男子ツアー「ムチュア・マドリード・オープン」(スペイン・マドリード/ATPマスターズ1000)シングルス4回戦が行われ、昨年の決勝カードとなった第2シードのカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランク3位)とヤン・レナード・ストルフ(ドイツ/同24位)の試合は6-3、6-7(5)、7-6(4)でアルカラスに軍配が上がった。



2022年大会でアルカラスは、当時トップ10にいたラファエル・ナダル(スペイン)やノバク・ジョコビッチ(セルビア)、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)らを破って初優勝。5月5日の19歳の誕生日を祝うと、翌年も優勝を飾って連覇達成。今年はナダルも成し遂げていない大会初の3連覇を狙う。

ATP500バルセロナやATPマスターズ1000モンテカルロを右腕の負傷により欠場していたアルカラス。不安を残したまま今大会を迎えたが、初戦となった2回戦でアレクサンダー・シェフチェンコ(カザフスタン/同59位)を6-2、6-1で破ると、3回戦ではチアゴ・セイボス・ワイルド(ブラジル/同63位)に6-3、6-3と快勝。ベスト16入りを果たしていた。

4回戦では昨年決勝の再現となったストルフと対戦。試合は第1セット第6ゲームでコートの深いポジションから精度の高いリターンを放ったアルカラスが先にブレーク。そのままチャンスを握らせずに6-3でセットを奪った。

しかし、第2セットは第1ゲームでブレークしたものの、第4ゲームでピンチを迎えるとストルフのリターンエースが決まり追いつかれてしまう。その後もストルフのサーブに苦戦し、タイブレークでリードを許すと臆さずネットに出てくる相手に6-7(5)でセットを取り返されてしまった。

拮抗した試合は、最終セット第4ゲームでアルカラスが先にリード。5-3のサービング・フォー・ザ・マッチでは40-0とした。だが、ここからミスを連発。勝利目前でストルフにブレークされた。それでもタイブレークでは、地元スペインの観客の応援を背に奮闘。3-0から一時は追いつかれたものの、サーブ&ボレーを仕掛けるストルフの足元にきっちり沈めてミスを引き出して2時間52分の激闘を制した。

大会公式サイトにアルカラスのコメントが掲載され、「1ヵ月も試合に出ていなかったのに、このレベルで3時間もプレーできたのは驚きだった」と振り返る。

「試合中、自分の感情をコントロールするのは難しかった。コートに入った瞬間から最後のポイントまで緊張していた。そのせいで第2、最終セットは浮き沈みがあった。でも、それがテニス。最後に自分の感情をうまくコントロールしていいプレーができたこと、次の試合のチャンスがあることがうれしい」

ビッグサーブとネットプレーで攻撃を仕掛ける昨年の準優勝者、ストルフを退けたアルカラスは、準々決勝で第7シードのアンドレイ・ルブレフ(同8位)と対戦する。

著者:Tennis Classic 編集部