オリンピックや世界選手権で活躍した一流のトップスケーターが集結したアイスショー、ファンタジー・オン・アイス(FaOI)幕張公演が26日、千葉県・千葉市の幕張イベントホールで行なわれた。

 声出し応援解禁とあって、会場には大勢のファンが駆け付けた。昨シーズン初のグランプリファイナルを制覇した三原舞依、2006年トリノ五輪金メダリストの荒川静香、2018年平昌五輪銅メダリストのハビエル・フェルナンデスなど、オープニングから豪華スケーターの登場に喝采が送られるなか、ひと際歓声が上がったのは、やはりこの男。五輪2大会連続金メダリストの羽生結弦だ。

 羽生はショーの大トリで登場。男性ダンス&ボーカルグループ『DA PUMP』のリーダーでヴォーカルを務めるISSAとKIMIのコラボレーション『if…』に乗って、スポットライトが羽生に当たると、一気にボルテージが最高潮に達した。

 華麗なスピン、ステップだけでなく、終盤には氷上でダンスをしているかのように身体すべてを使って表現。最後は180度の開脚でフィニッシュすると、アーティストとの見事なコラボ演技に観客は総立ち。スタンディングオベーションが鳴り止まなかった。
  フィナーレでは4回転ジャンプにチャレンジ。惜しくも3回転になってしまったが、再度軌道をつけて踏み切ると、今度はきっちり4回転トゥループを決めてみせた。

 締めの挨拶では、羽生がファンに気遣いを見せる場面もあった。「地震、怖かったと思います。まだまだ揺れることがあるかと思います。最後まで気をつけて帰って行ってください。ありがとうございました。またぜひ来てください」と呼びかけた。

 この日、19時3分ごろに千葉県東方沖を震源とする地震が発生し、幕張イベントホールがある千葉市美浜区でも震度3を記録。ショーが一時中断したほどだった。自身も12年前の東日本大震災の被災者であり、ファンの身を第一に考える羽生らしい「神対応」が垣間見えたシーンだった。

取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)

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